ニュースアグリゲーションサービスを気にしても仕方ない
師走に入り、師でもないからもっと走らなければならないと思ってげんなりしているParsleyです。ごきげんよう。
先日、元切込隊長こと山本一郎氏が『smartnews』についてYahooニュース個人にお書きになられていて、メディア関係者の間でちょっとした話題になっていました。
あれから一年が経ち、スマートニュースはどれだけ適法となったか(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
私自身、2012年冬に『smartnews』の転載が問題視された時、「それってメディア側の感情論ですよね」とブログで放言してかなーり白い目で見られました(参照)。その時と考え方はほとんど変わっていないのですが、もっと言うならば『smartnews』というサービスが多くのユーザーの「ニュースを読む体験」を変えるとは思えなかったので、「そんなに相手する必要ある?」ということが疑問だった、ということもあったりします。
10月に「ヤフトピは日経新聞じゃねーよ」と放言してやはりひんしゅくを買った際(参照)、『誠』の吉岡綾乃編集長が「最近はY!だけじゃなく、SmartNewsやGunosyで取り上げられるにはどうしたらいいか聞いてくるPR担当さん増えましたね」とコメントを寄せて下さいました(参照)。私自身も、同様のことを聞かれる機会が結構な頻度であります。
『SmartNews』や『Gunosy』のようなニュースアグリゲーションサービスですが、確かにピックアップされると露出機会が増え、PVも若干伸びるので、ピックアップされないよりはされたほうがいいのは間違いないところ。ですが、逆にいえばその程度でしかない、ともいえると思います。
『SmartNews』は約160万、『Gunosy』は約50万のユーザー数といいますが、その中で日常的に使っているユーザーがどのくらい残っているのか、という点についてはかなり疑問符がつきます。私自身、チェック目的以外では使ってないですし、周囲で飽きて見なくなったという人もかなりいます。どちらも、2013年の夏くらいから影響力が減少傾向にある、というのが体感値です。
また、『SmartNews』はtwitterなどのユーザーが注目している記事をピックアップするので、既に話題となっているものが多くなっていく仕様。なので、「それ知ってた」ということになりがちで暇つぶしにもならない、と個人的には思っています。
『Gunosy』の場合はtwitter・Facebook・はてなブックマークをもとにしてユーザーごとにパーソナライズされるので、そもそもマスをターゲットにしたサービスではありません。だから、取り上げられようとメディアや書き手の側で努力することがナンセンス。もっとも、そのパーソナライズがユーザーの意図通りにならず、ユーザーが離れていくケースも散見されますが。
そんなこんなで。これがメディアを運営する立場だとまた違った見方になるのかもしれませんが、書き手の立場でいうならばニュースアグリゲーションサービスについては放っておくのが一番いいというのが私の考えになります。ソーシャルメディアは、tiwtterとFacebookでの反応を見る(参考にする、ではなく)くらいでよいのではないでしょうか。
あと、個人的にアプリ系では『Pocket』の存在を気にしています。簡単にいうと記事を「あとで読む」ためのサービスなのですが、最近では追加ボタンを設置しているネットメディアやブログが増えました。まだサンプル数が少ないのですが、『Pocket』に入れているユーザー数が多い記事は、PVが伸びる傾向もあり「ちゃんと読まれている」実感があったりします。
なので、ブログ運営の相談を受けた際には『zenback』でも提供されているということもあり(参照)、ボタンの設置を勧めるようにしていますし、情報の出し手の側でどうすることもできないアグリゲーションサービスを気にするよりもポジティブだと個人的には考えています。あまり話題になっていない印象ですが、情報感度の高いユーザーが皆使い続けている感のあるサービスなので、チェックしておいて損はないのではないでしょうか。