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わかりやすいって何だろう、を考えていきます。

ユーザー系、独立系、というのはIT業界だけじゃないんですね。

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現在イノウでは、@IT自分戦略研究所とITMediaエンタープライズで、会社名で連載を持たせていただいているのですが、今回は、その連載記事を作成する中で、気づいたことを紹介したいと思います。


連載記事のテーマは「IT業界のしくみ」で、これまで3回は主に経済産業省の特定サービス産業統計のデータを読み解く形で進めてきたのですが、今回は、いよいよ懸案の「業界地図」の第一歩として、IT業界の企業群を取り上げることに。

とは言っても、IT業界を構成する企業の数は膨大。そこで、前回の記事通り、まずは


・要素分解


してみることに。


前職時代、『SEの現場』という、SE本ブームの走り的なムックを作っていたので、一応、IT業界は「独立系」「ユーザー系」「メーカー系」などに分類され、「外資系」「総研系」「コンサル系」「パッケージ系」などの分類名称を使うこともあるのは知っていました。


記事に載せる図解RIAツールを作るにあたって、これらの分類名称を並べて、単に整理してみたところどうも具合が悪い。

そこでよく考えてみると、これらの名称は並列の関係ではない、ことに気づきました。

ユーザー系や独立系などは親会社の有無や種類、パッケージ系などはメインビジネスの種類、による分類だったのです。


そこで、母体(親会社の有無や種類)によって「ユーザー系」「独立系」「メーカー系」「外資系」などに分け、業態(メインビジネスの種類)によって「システム開発全般」「上流&PM」「運用&アウトソーシング」「パッケージ」などに分けると、「外資系はパッケージ開発と運用&アウトソーシングが中心」「コンサル系は上流&PMとアウトソーシングが中心」など、母体とメインビジネスの関係が見えてきて、とたんにIT業界がわかりやすくなりました(まあ、ある意味、当たり前なんですが)。


それでまあ、連載記事の見通しは付いたのですが、さらに「他業界も同じ方法論で理解できないか」と欲を出して、試してみたところ、これが意外と使えるのです。


たとえば「人材派遣業界」を母体と業態で分類してみると、母体は「独立系」「資本系」(IT業界のユーザー系と同じ)「外資系」など、業態は「一般事務派遣」「業務特化派遣」「業界特化派遣」「エンジニア派遣(多くは特定派遣)」などに分けられ、やはり母体によるビジネス特性が見えてきます。


錬金術ではありませんが、「理解、分解、再構築」ってやっぱり使える方法論なんですね。


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