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セマンティックの波と情報セーフティネット

経営、企画向けにフォーカスした『ポジションマッパー』サービスをリリースしました。

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 7月下旬に、『印象・感分析』サービスをリリースした時点では、まだまだ汎用性の高い IT製品・サービスということで、技術的には強力ながらも、「これ誰のためのもの? 私が何も考えずに使ったとしていつ何の役に立ってどう儲かるの?」という、法人顧客の問いに答えられるほど、事業計画面でフォーカスしきれていませんでした。

 実際、そのようなご指摘を、村井勝さん(元コンパック会長;現・TEP代表)はじめ何人かの有識者からいただきました。海老根智仁さん(Opt会長)からは「わかりやすいし素晴らしい、、でも売りにくそうですね」と言われました。これらのご批判を甘受した上で、どのようにご恩返しするか、弊メタデータ社自身の事業計画としても、これまで以上に考え抜きながら営業してまいりました。

 海老根智仁さんといえば、Mr.事業計画。数値計画で資金調達額や株価がどうの、というテクニカル面ではなく、そもそも何故起業(or新規事業)するのかその思いは?に始まり、自らの思想・価値観を踏まえた意外性あるSWOT分析、何より大事な柱とある事業ドメインの定義、新商品and/or新市場を意識した成長戦略、そして、ポジショニングマップを何度も描き直す競争戦略へと流れる本当の事業計画の基本に忠実たれ、という伝道師です(少なくとも私にとっては。CEO経験のない人づてに教わるくらいでしたら書籍にあたりましょう。)。

 今回の『ポジションマッパー』サービスの事業ドメインは、以下の通りです:

1)企業経営者・商品企画&マーケ担当者が  2)自社の競合戦略・ブランド戦略策定時に最新データに紐付けられた根拠あるマップ作り&戦略作りをしたい、という切実なニーズに答えること、 そのために、 3) メタデータ社が培ってきた5W1H事実抽出と意味解析(メタパーザ検索)とインテリジェント・クローリングのノウハウを詰め込んだAPI群と弊社謹製手順書により、多くの人が容易に競合分析可能となる、という点が強みであります。

 本事業自体のポジショニングマップは、、さすがに企業秘密でございます(今のところ)。でも、おおよそを述べれば、全自動でグラフを描くタイプのサービスと、フル・コンサルティング・サービスとが市場にあるのに対し、人と機械の絶妙なタッグ、人の得意な因果関係の洞察や気づきは人に任せ、手順書を参考にして得られた仮説から、口コミの追加調査を行う、というポジションのサービスは従来ありませんでした。発表前に7本ほど、数社様向けに実施してみて、従来にない有効性、コストパフォーマンスの良さを実証し、発表に踏み切りました。

『ポジションマッパー』サービス をファッションビルのブランドイメージに適用してみた例:

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 7月に発表した『印象・感分析』サービスは、特定のテーマについての恒久的な印象から、なでしこジャパンの試合中の感情変化まで分析し、要注目の言い回し、比較コメントなどを抽出可能です。要素技術面では、上記に加えてポジショニングマップの分類軸選定の手順、ノウハウを加えたのが『ポジションマッパー』サービスです。

  ポジショニングマップと、その上に描いた結論、すなわち、競争戦略上、占めたい位置が決まれば、分類軸上の値を参照し、集約や品揃えのための個々の戦術が自ずと導かれます。たとえば、上記マップを参考にファッションビルに入居したアパレルのテナントさんが、5箇所のポジションのいずれかを選んだときに共通的に採用できる戦術、具体的施策としては下記のようなものが容易に導かれます。

Position2 

 いかがでしょうか?

昨今、日本の製造業の「選択と集中」が過去10年大間違いを繰り返してきた、などと報道されます。それはまさに、実際の市場の声、それも毎週数千、数万件のツイート等から、対競合と比較してどう異なる認知をされているか、期待をされているかを比較し、証拠データに紐付けられた正確で正直なポジショニングマップを描かずに、「偉い人」の過去の経験と、「総合判断」という名のただの感覚に頼った経営判断、商品企画がなされてきたからではないでしょうか?

 従来は不可能だった大量の口コミ(といっても毎月数10万件の口コミの意味解析ではビッグデータというには小さいですが)分析を準リアルタイムで行い、競争戦略をupdateし続ける。こんな凄い企業に変身するには、『ポジションマッパー』サービスを毎週、毎月運用するのが大正解、ではないでしょうか?

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