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セマンティックの波と情報セーフティネット

事前に予測困難な品質のサービスもあるというお話

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 ちょっとひっかっかるタイトルだったかもしれません。でも、以下の品質の種類、分類は、直観的にも納得できるものかと思います。

■商品の3種の品質

 •探索品質:事前評価可能な品質 (モノは比較的容易)
   e.g. ネット通販の車AutoByTel、 不動産

 •経験品質:購入時点、購入後に評価可能な品質
    e.g. レストランでの食事、パック旅行、理容・美容、デイ・ケア・サービス、ホーム・ヘルパー等の多くのサービス

 •信用品質:経験後も期待効果が生じるか不明な品質
     e.g. 盲腸との診断で手術に同意したが開腹したら違ってた; 自動車、PCの5年修理保証、法律・税務相談、投資顧問、占い、大学院教育

 購入前、購入時点(直後)、購入してしばらく経過後、という3つに分かれたタイム・フレームのどこで品質が判明するか。それに応じた分類と憶えておいても支障無いでしょう。
 その場で最終生産される、というサービスの基本性質 を考えれば、探索品質に値する、耐え得るサービスが少数派であるのがわかります。いくら素晴らしいサービス提供(製造)者という事前評判があっても、「私=顧客の気に入る」髪型etc.に実際してくれるかどうかは、その場になってみないとわからない。すなわち、経験品質とならざるをえない。

 これに対し、品質に差異の出にくい、モノによる体験の比率が高いサービスや、そもそも品質のバリエーションが少ない、 yes or no に分けられるようなサービスであれば、探索品質に委ねられるところが大きくなりそうです。上例にあげた、モノ商品であれば、その探索品質評価をサポートするサービスが幅広く成立しています。

 経験品質に該当するサービスであればまだ良い、と納得した方が良さそうです。なぜなら、サービスを享受し終わっても期待効果が生じるかどうか、思わぬ不利益や不愉快な結果が未来において生じないか、わからない、という類の品質があるからです。これが信用品質です。修理保証サービスなど、その費用対効果が、自分自身に限って良いか悪いか、その保障期間5年間が終わってみるまでわかりません。いや、終わってみても、保障を買った方が良かったか、買わなかった方が良かったか永遠にわからない、ともいえるでしょう。

 

■信用品質の期待値を高める “過程品質” (process)

 上記は、サービスの結果を評価する結果品質でした。ところが、信用品質に落とし込まれるように、結果品質が不明な場合、サービス提供/享受の過程の良し悪し、すなわち、過程品質を評価することで、結果品質に代える場合があります。

 •“結果品質” vs “過程品質” (腕は並でも愛想よく説明する職人がウケる)
    ADSL導入、理美容   

 
 

■サービス派生商品 (Derivatives)を作ってサービス本体の価値を逆算

 サービスの基本性質のうち、“見えない/触れない", "運搬できない", "ストック(在庫)が効かない" というのは、サービスを他の類似サービスと比較評価して適正に価格を決めるのを困難にする要素です。モノ商品のように商品市場に(貯めて)出して、誰の目にも同じに見える規格品にしくくいことから、市場原理にpricingを委ねにくいことがわかります。
 ServQual法や、多数のサービス体験の評価(満足度)からコツコツ丹念に価格を求めていく方法もあります。しかし、サービス派生商品 (Derivatives)を作って、その派生商品の取引価格から、サービス本体の価値を素早く適切に逆算する、というアプローチもあります。

○様々なサービス派生商品 (Derivatives)
・各種金融Derivatives (為替option, 株式ワラント)
・“チケット“ 購入権の売買
・“予約”をkeepする権利(本来手数料必要)
・リアル・オプション
  例:2棟建設できる土地を確保しつつ1棟のみを先に建て、2棟目の建設時期の選択権を提供するサービス

 これらのサービス派生商品の多くは、サービス本体よりも、市場にのりやすくなっています。そこで、価格が収束しやすく、結果的にサービスのpricing 、すなわち市場原理による価値評価にフィードバックされることがあります。


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