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サービス品質の評価法  ~ソーシャル施策やFacebookページ評価にも応用可

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サービス品質の評価を直接左右するのは、顧客の事前の期待値との落差である、と前々回に予告しました。そう、品質評価者は、工場の検査担当要員ではなく、徹頭徹尾、ユーザであり、顧客であるのだ、と頭に入れておく必要があります。

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 昨日、JRのサービスを例に説明したように、世界に冠たる、時間に正確な日本の鉄道を例に、「サービスへの期待」と、「サービスの経験(事実)」との差分を表現してみました。

 「サービスへの期待」は、サービス内容の特徴、個々人のニーズ、口コミの影響、過去の体験企業イメージ、から形成されます。赤字にしたのは、ソーシャルメディアに載りやすい、ソーシャルメディアによって良くも悪くも変化する要素です。

 「サービスの経験(事実)」は、サービスの結果サービスのプロセスです。サービスの良さ、コストパフォーマンスを信じて購買した結果、実際にはどうであったか。その結果と、サービス体験(サービス提供)のプロセスとを合わせた全体がサービスの経験です。ひらたくいえば、そのサービスが「実際どうだったか?」です。

 

 そして、顧客によるサービス品質の評価は、「サービスへの期待」と、「サービスの経験(事実)」との差分が、サービス品質の評価となります。量的に明示するのは難しいですが、期待との僅かな差が多くの場合、拡大され、誇張されて、評価され、それが伝わっていきます。その伝達速度や容量、拡散の範囲については、メディアの個性や個別事情、タイミングの差(他に類似の出来事がほぼ同時に起きたか等)があり過ぎて、予測困難です。僅かな差が大きく評価を左右する傾向がある、との言明は正そうです。

 それ以上に、あるサービス商品のリリースにあたって、「適切に」期待値を高めておくべきだ、というポイントです。出荷前、配送前の誇大宣伝が非常にまずいことはもちろん、良い意味での「サプライズ」を意図的に計画しておくべきこと、などもここから導かれます。

 サービス体験をした利用者に実際に品質を評価してもらった経験から、サービス品質の基準を整理したものがあります。一例として、SERVQUAL*1 をあげます。

 

 

*1 A. Parasuraman, V.A., Zeitmal & L.L. Berry ‘SERVQUAL’, Journal of Retailing, Vol.64 No.1, Spring, 1988

 

 

1.信頼性 Reliability 約束したサービスの提供能力への信頼
2.反応性 Responsiveness  現場の担当者の提供スピードと反応スピード
3.確信性 Assurance  顧客にサービスの質への確信を印象付けられるような企業と従業員のスキルに対する顧客の評価
4.共感性 Empathy  顧客の個別的事情を理解し協働で問題解決しようとする姿勢
5.物的要素 Tangibles  建物の外観、インテリア、部屋、備品、従業員の服装、パンフ、支配人宛レター等、コミュニケーションの道具

 ここまでくると、オンラインサービスの具体的な提供法、表現法、それこそ、Facebookページの作り方や、良しあしの評価の基準にアレンジできそうな気がしてまいります。なお、上記の5つの基準は、もともとは、信頼性、反応性、能力、礼儀、信用性、安全性、アクセス、コミュニケーション、物的要素、顧客理解の10要素だったものを、統計評価・検定で5つにまとめたもの、ということです。

 もちろん、Facebookページの良しあしや、Facebook広告の文章、画像の良しあしの具体的な評価基準の策定には上記の知見を踏まえたさらなる検討が必要です。私の会社、メタデータ社でも、具体的事例を通して研究を重ね、COSMOSTARのサービス・パッケージに反映していこうとしています。

 広告画像は「クリエイティブ」領域だからデザイナーに任せて、というだけではまずい。目的や、誘導したい顧客の属性を可能な限り具体的に列挙し、それに合わせた作り込みが必要です。※さもないと、通俗的、直観的な感想文に沿って、女性の水着姿の写真でパソコン性能改善サービスに誘導する、というような広告が増えて利用者を疲れさせてしまうことにもなりかねません。

 続きは、ツイアカの講演や、9月8日、イズ株式会社さんと共催のセミナーなどで少し取り上げてまいりたいと思います。

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