うちの愛犬が自らの死をもって教えてくれた大切なこと
昨年末に余命3ヶ月と言われた、うちのゴールデンレトリーバーのナナが5月3日に10年2ヶ月の命に幕を閉じました。
もう1頭、ナナの母親はもう15年になりますが、とても元気でいます。2頭の親子で飼っていました。母親のネネの子供を残したく、10年くらい前に2度目の交配をして残した子です。
昨年の12月頃、急に元気がなくなりはじめ動物病院へ行きました。脾臓を摘出し、病理検査をしての結果が、悪性腫瘍の末期状態でした。部分摘出はしましたが、体中に転移しているので、長くても春先くらいまで・・・と。
摘出後の外科的処置はない。内服でサプリメントを飲ませていました。このサプリ、成分がよくわからないのですが、効果はあったと思っています。
※追記:イペットというサプリ
それでも4月に入ってから、昨年のように元気がなくなってきたので、薬に切り替えました。転移した部分から急激に血液が漏れ、貧血状態になってきました。目で見るわかりやすい判断方法は、歯茎の色をチェックすることです。ネネはさすがに足腰は弱っていますが、15年と思えないほど食欲も血色も十分すぎる感じです。
貧血、抗生物質、出血止めの薬を飲ませていましたが、延命の一部にしかなりません。それでも、元気なうちは、出来ることのすべてをしてあげたいと。。。
子供が生まれたら犬を飼いなさい。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供がおとなになった時、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。
今まで何頭も一緒に暮らしてきた犬好きのわたし、この短い文を読んだだけで、今までの犬たちが与えてくれたものを思い起こして思わず涙が...
子どもの成長過程と犬の一生の関係について、こいけさんは続けます。
犬は、わずか12~15年くらいの間に、「生」ということのすべてを子供たちに見せてくれる。 子供たちより後に生まれ子供たちに甘え、子供たちより早く育ち子供たちと同等に生き、子供たちより先に大人になり子供たちを気遣う。やがて老衰し、子供たちの手をかりるなければならなくなる。
「生」を精一杯子供たちとともに費やし教え、やがて「死」を子供たちに見せしめその一生を終える。
お金のかかった教材や英才教育も必要ですが、生きることや、家族を全力で信頼して愛することになんの曇りもない犬(猫もそう)の素直な一生が、人間の子どもに教えてくれることのほうが遙かに大きい気がします。
[ 子供が生まれたら犬を飼いなさい。 <犬からの贈り物> - "あっちゃマン"の子育てフィロソフィ ]
-ここまで引用-
6頭生まれ、一番お気に入りの子を残しました。最後に2頭まで絞ったのですが判断できませんでした。10メートルくらい離れて「おいで!」と手を叩き呼んで、ダッシュして来たのがナナでした。こういうのをご縁って言うのでしょうね。もう1頭は親戚のうちで今でも飼われています。
残すつもりが、先に逝ってしまうなんて。。。そんなものかもしれません。はかないものです。
10年前の2000年は、仕事にも大きな変化があったときでした。色々なことを思い出します。
・・・最後は、貧血で立つことも出来ず、呼吸も精一杯でした。水をスポイトで口に含ませました。体中が熱を持っているのですが、舌で温度調節するにも、末期な状態。動物病院の先生と話しをして、安楽死の方法の聞きました。が、今晩くらいには・・・と。。。
貧血で意識がもうろうとしている。目が泳ぐのです。それでも、ろくにない力で精一杯に首を上げようとするのですが、身体がついてきません。何度もするのですが、度に力尽き、また上げる前よりもグッタリするのです。歯茎は限りなく白っぽくなっています。
・・・最後まで全力で諦めなかったナナに、何となく諦めかけていた自分の弱さを教えてもらいました。
犬の一生は、人間よりも長くありません。
彼はこう言ったのだ。
「人は、いい人生の過ごし方を学ぶために生まれてくるよね?いつもみんなを愛することとか、人に優しくすることとか。だよね?」
そしてその6歳の少年は続けた。
「ほら、犬はもうそれをすでに知ってるんだから、そんなに長いこと、この世にいなくていいんだ」
先日恩師に、一生懸命って言葉は、一生じゃなくて一所だったのだと聞きました。鎌倉期、関所を守る一所懸命が、一生に変わってしまったのだと。。。知りませんでした。
犬が何を考えているのか?よくわかりませんが、何かを考え続けている私よりも、一所に集中して懸命に生きていることを、ナナは自身の命をもって教えてくれました。
ナナのいっぱいの笑顔に感謝! どうもありがとう。