Red Hat Enterprise Linux(サブスクリプション付) をリリースしました
こんにちは。ちなつです。
今回は、ニフティクラウドのインフラ運用やOS提供をしている若手エンジニア、ライター・kyueより機能アップデートに関する記事をご紹介します。
(*本記事の最後にkyueのプロフィールを掲載しています)
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※この記事は2012年9月20日に執筆された記事になります。
お久しぶりです。ニフティの久江(キュウエ)です。
エンタープライズ用途でのOSS利用が広がりを見せており、企業内でのLinux系OS利用も珍しいものではなくなっています。国内外の金融システムなどにも広く利用されています。
このたび、サブスクリプション付きのRed Hat Enterprise Linux(以下、REHLとします)として以下のOSがスタンダードイメージとして選択できるようになりました。
- Red Hat Enterprise Linux 5.8 64bit
- Red Hat Enterprise Linux 6.3 64bit
スタンダードイメージとは、通常のサーバー作成画面で選択可能なOSのことです。
本記事では、ニフティクラウドでイメージを利用するポイントやOSの仕様についてご紹介します。また、過去にリリースしたOSも含めて、基本的なOSの仕様について紹介している以下の記事も、あわせてご覧ください。
- ニフティクラウド探検隊 サーバーの中身を調査してみた。
- Ubuntu 10.04 64bit Plain、CentOS 6.0、RHEL6.1をリリースしました。
- スタンダードイメージ「SQLServer2008」 「CentOS6.2」、パブリックイメージ「Ubuntu11.10」をリリースしました!
サブスクリプション対応 RHEL
はじめに、従来のRHELと今回のサブスクリプション付きRHELの違いについてご説明いたします。
1. 従来のRHELスタンダードイメージ
ニフティクラウドにおいて従来より提供しているRHELのスタンダードイメージでは、スタンダードイメージの利用料金のほかに、サブスクリプションを別途購入する必要があります。
また、サブスクリプションの登録やサポートについてもRed Hat社が問い合わせの一次窓口となっています。
従来のRHELイメージのサブスクリプションについて、くわしくは以下のFAQをご確認ください。
2.今回提供されたサブスクリプション付RHELスタンダードイメージ
今回リリースされたRHEL5.8とRHEL6.3のイメージは、ニフティクラウドのコントロールパネルからサブスクリプションが付与された状態でサーバーの作成を行うことができます。
つまり、作成後即座にyum updateなどが可能となります。Red Hat社のサイトでサブスクリプションキーの入力や、アクティベーション、RHNの登録などを行う必要はありません。
従来のRHELイメージと違い、コントロールパネルにおけるサーバー作成時に以下のような利用規約の同意画面が出てきますので、同意の上サーバーの作成をお願いします。
3. 価格
OSの利用料金として、以下の料金が必要になります。選択するニフティクラウドのサーバーの種類(具体的には、vCPUの数)によって利用料金が変わりますのでご注意ください。
mini/small/medium/large (6vCPU未満) |
xlarge (6vCPU以上) |
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■月額:7,035円/月 ■従量:12.6円/時 |
■月額:15,435円/月 ■従量:26.25円/時 |
4. サポート
従来より、REHL以外のOSも含めて、ニフティクラウドではOSより上位レイヤーのサポートは非対応となっております。
しかし、今回リリースしたサブスクリプション付RHELイメージに限り、ニフティクラウドにおいてサポートの一次受付が可能となっています。
コントロールパネルにあります、「お問い合わせ窓口(全般)」よりお問い合わせをお願いします。
※OS内の不具合などについてはニフティクラウドの提供するSLAの対象外となりますのでご注意ください。
5.その他ニフティクラウド利用上の注意
上述した通り、今回サブスクリプション付のスタンダードイメージが利用できるRHELのバージョンは「Red Hat Enterprise Linux 5.8 64bit」「Red Hat Enterprise Linux 6.3 64bit」のみとなります。
なお、従来のサブスクリプションが付与されていないスタンダードイメージも引き続きご利用可能です。ただし、別途サブスクリプションをご購入いただく必要がありますのでご注意ください。
また、サブスクリプション付のスタンダードイメージを購入した@nifty IDに登録されている、「法人名」と「登録住所」がRed Hat社に送信されます。
そのほか仕様についてのくわしい内容は、以下のページをご参照ください。
OSの仕様
続いて、サブスクリプション付きREHLの仕様などをご紹介いたします。
1.概要
提供するイメージの構成は、これまで提供してきたREHLやCentOSなどのイメージと基本的には同じです。特殊な点についてのみ、ご説明いたします。
2.対応リポジトリ
OSパッケージのアップデートはニフティクラウドの提供するリポジトリサーバーをデフォルトで参照するようになっています。
リポジトリサーバーはニフティクラウドがRed Hat社の提供するリポジトリサーバーと同期をとり、常に最新のパッケージを提供する仕組みです。
今回提供されるRHELのOS内部には、リポジトリサーバーに接続するための証明書があらかじめインストールされています。
ニフティクラウドのコンソールからOSの再インストールなどを行ってしまうと、サブスクリプションは当然入らず、利用料金のみが発生する状況となりますので、ご注意ください。
また、リポジトリサーバーとの通信はグローバル側のIPアドレスを経由して実施いたしますのでファイアウォールの設定などにご注意ください。
3.FW設定
ニフティクラウドのイメージではSELinuxを無効にしています。
お客様のシステム仕様に合わせて、ログイン後に設定をお願いいたします。
※ニフティクラウドのファイアウォールが選択できないリージョンではiptablesのみ有効にしています。
4.ニフティクラウド用スクリプト
- vmware-tools
コントロールパネルから仮想マシンを管理するためのモジュールですので、プロセスの停止や関連ファイルの削除は禁止しております。
- ニフティスクリプト
ニフティクラウドの設定を行うために、下記のランレベルでスクリプトが実行されます。削除や設定変更は行わないようお願いいたします。
5.device設定
MACアドレス
Red Hat Enterprise Linux 6.3 64bitのみ以下の設定を行っております。
この設定によってサーバーコピーやオートスケールが利用可能となります。
RHEL6系では仮想マシンのコピーを行う場合に、以前の仮想マシンのMACアドレスを引き継ぐという仕様があり、仮想化環境ではIPが重複する可能性があるためです。
ethtool設定
vmwareのネットワークドライバの性能を向上させるため、以下のチューニングを実施しています。
TSOをオフにしてネットワークドライバへの負荷を下げる処理と、ネットワークのバッファを拡張して大規模なトラフィックが来た場合にパケットロスなどが発生しない処理として実施しています。
ご使用になられるアプリケーションの要件に合わせて設定を変更していただくことをお勧めいたします。
■Red Hat Enterprise Linux 6.3 64bit
※/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1 にも同様の設定をしています。
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■Red Hat Enterprise Linux 5.8 64bit
6.その他
インストール時に最少構成と日本語のサポートを追加しており、ファイルシステムはRHEL5.8はext3、RHEL6.3はext4を選択しています。
また、ニフティクラウド環境で必須となるvmware-toolsを追加するためのモジュールとBINDパッケージが追加されています。
インストールパッケージの詳細については以下のページをご覧ください。
ニフティクラウドでは、今後も皆様のご要望に合わせて「すぐに環境が構築ができる」OSを提供したいと考えております。利用したいOSや、「初期状態をこうして欲しい」といったご要望、ご意見をいただけると幸いです。
今後ともニフティクラウドをよろしくお願いします!
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プロフィール
ライターネーム:kyue
ニフティクラウドのインフラ運用、OS提供の仕事をしています。
新しいOSやイメージが出る時にこのブログでご紹介いたします。
入社二年目。一流のインフラエンジニアを目指して日々勉強中。
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