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夏目房之介の「で?」

レオンス・プティ『ベトンさんの災難』翻訳復刻版

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東北大のナラティブメディア研究会・森田直子先生からレオンス・プティ『ベトンさんの災難』翻訳復刻版を送っていただきました。ありがとうございます。大変興味深いです。1868年、明治維新と同年に刊行された、テプフェールそっくりのBD。ただしかなり絵のうまい人でけっこう奥行描写がされている。また時代的な変化も反映し、列車の暴走爆発という場面があったり、アルジェリア人が列車で人の首を斬る場面があったり。後者からはずっと後の日本の明治ポンチや時代劇漫画などで盛んに首が飛ぶ描写を連想してしまう。また22頁に登場する警察官は同一コマに異時同図みたいに反復して描かれてるように見える。当時の欧州でこんな描写が他にもあったんだろうか。不思議。激しい動作を複数の残像的描写で描く漫画風刺画は同時期にあるけど、こういうのは見た記憶がない。森田先生は気づかなかったみたいだけど、僕には同一人物に見えるがなあ。
どうしても欲しい人は、ここでご確認を。 http://www.media.is.tohoku.ac.jp/~morita/nm.html
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