夏目ゼミで椎名ゆかりさん講義 ついでに僕も
昨日の夏目ゼミは、5限に椎名ゆかりさんをお迎えして、スコット・マクラウドについての講義をしていただきました。小田切博、伊藤剛両氏も参加され、アメリカのコミック事情や歴史についても大変勉強になる、超面白い講義となりました。それにあわせ、4限は僕が急きょ「夏目「マンガ表現論」 私語り」として、講義しました。おもに80年代の「模写によるマンガ批評」から90年代の「マンガ表現論」への流れ、その後のNHK人間大学及びBSマンガ夜話での浸透の歴史を個人的な体験を中心に語りました。椎名さんは「いいなあ、夏目ゼミ、いいなあ」としきりにいってくれましたが、いつもは学生の発表ですから、こんなに面白わけでは、むろんありません!
以下、レジュメの一部「マンガ表現論略史」
2018.12.5 学習院大学 身体表象文化学 マンガ・アニメーション芸術専攻 批評研究ゼミ(夏目) 夏目房之介 「マンガ表現論」夏目版 略年表
1950年 東京生
'77 勤務先出版社倒産、独立 ヤングコミック,週刊朝日等にマンガ,カットを掲載
'81 6月『ザッツ・パロディ』サン出版 【図1】
'82 9月17日号週刊朝日「ナンデモロジ-學問」連載開始
'85 8月『夏目房之介の漫画学』大和書房 【図2~3】 Will 『Wsner Comics & Sequential Art』
'86 呉智英『現代マンガの全体像』
'87 米沢嘉博編『マンガ批評宣言』
'89 1月昭和天皇死去、2月手塚治虫死去 竹内オサム、村上知彦『マンガ批評大系』1~4+別巻
'90 竹熊健太郎、相原コージ『サルでも描けるまんが教室』
'92 6月「手塚治虫はどこにいる」筑摩書房刊 ちくまブックス 【図4~5】
'93 2/20~宝島社 「マンガの読み方」セッション 竹熊、小形 Scott McCloud 『Understanding Comics:The invisible Art』 宮台真司他『サブカルチャー神話解体』
'94 四方田犬彦『漫画原論 大塚英志『戦後まんがの表現空間』
'95 4月宝島EX「マンガの読み方」宝島社 【図5】 6月 「手塚治虫の冒険 戦後マンガの神々」筑摩書房 【図4】
'96 7月 7月4日~9月19日 NHK教育テレビ人間大学「マンガはなぜ面白いのか その表現と文法」12回講義 テキスト刊行 8月19日 NHK衛星1「マンガ夜話」1大友克洋 出演 ~2009年12月32回 【図7】
'97 2月20日 中野文化センター講義「マンガの過去・現在・未来」1回 宮本大人氏初対面 11月「マンガはなぜ面白いのか その表現と文法」NHK出版 【図6】 12月「マンガと「戦争」」(講談社現代新書刊)【図6】
'98 10月31日 マンガ史研究会参加 スコット・マクラウド『マンガ学』(Understanding Comics日本版) 宮本大人「「漫画」概念の重層化過程」「美術史」 同「マンガと乗り物」 霜月たかなか編「誕生!「手塚治虫」」
99年1月NYジャパンソサエティ アニメシンポ参加 6月 朝日新聞社・手塚治虫文化賞特別賞受賞 9月 週刊朝日百科・世界の文学「マンガと文学」監修・執筆 宮本大人「「漫画」の起源 不純な領域としての成立」【図8】 10月 パリ日本文化会館マンガ展 監修 のち欧州各地を巡回 以後数年間、年2~3回欧州、東アジア各地域を訪れる
00年5月 立命館大学シンポ 「学術的まんが研究の可能性と課題 内と外との対話」参加 報告「マンガ表現論の「限界」をめぐって」 【図9】 7月~ 毎日新聞夕刊 マンガの居場所連載 宮本大人・瓜生吉則・村中志津江→ヤマダトモコ
01年6月「マンガ/世界/戦略」小学館刊 8月「マンガと著作権」青林工芸社 シンポ 12月 日本マンガ学会第一回大会参加 瓜生吉則「マンガを語ることの〈現在〉」吉見俊哉編「メディア・スタディーズ」 東浩紀『動物化するポストモダン』
02年6月 サイト連載 コミックパーク「マンガの発見」月2回 ~連載 7月 花園大学集中講義(年2回) 同大学客員教授
03年4月「アジア新世紀6 メディア 言論と表象の地政学」所収「東アジアに広がるマンガ文化」 大塚『アトムの命題』 『マンガの居場所』夏目、宮本、
04年9月 『マンガの深読み、大人読み』イースト・プレス 10月 『マンガ学への挑戦 進化する批評地図』NTT出版刊行 9月 『マンガは今どうなっておるのか』メディアセレクト刊行 (コミックパーク「マンガの発見」単行本化)
'05年 竹内オサム『マンガ表現学入門』 伊藤剛『テヅカ イズ デッド』
08年 4月 学習院大学身体表象文化学専攻 専任教授就任