東京都写真美術館「マジック・ランタン 光と影の映像史」(8/14~10/14)内覧会
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東京都写真美術館「マジック・ランタン 光と影の映像史」(8/14~10/14)の内覧会に行ってきました。いやあ、視覚文化史に興味のある人はぜひ行ってほしい、面白い展示でした。まず展示場に行き、夢中になって観ていたので、レセプションには行かずじまいになってしまいました(すいません)。が、多分また観に行くと思います。
まず欧州のマジック・ランタンの様々な資料(装置実物、種版、状況を描いた絵、コマ・マンガのように並べられた絵、さらにリュミエールとメリエスの映像)はもちろん、大変勉強になりました。まさに19世紀視覚文化の欲望と変化をたどる展示です。これらは1920年代、まさに映画の隆盛とともに衰退したようです。
もうひとつ、日本の江戸~明治期の「写し絵」の展示も素晴らしく興味深い。江戸東京博物館の「写し絵」の再現された解説映像も面白かった。止め絵であるそれぞれの写し絵を、揺らしたり、距離を微妙に変えたり、投影機を3台にしたり、様々な工夫で「動かそう」とする演出に興奮しました。とりわけ、安珍清姫の鬼から大蛇に変化し、鐘に巻ついて焼き殺す過程を、音曲と合わせて盛り上げて動かす演出は、感動ものです。「音」と「映像」の関係について、あらためて考えさせられます。装置や種版の写真だけ見ていたら感じようもない「動く映像」への驚きが見どころです。 ところで、東南アジアのワヤン(影絵)との関係はどうなんでしょうか? あれは中国伝来の独自のものなのか、ヨーロッパの影響なのか、そのへんも知りたい(図録をまだちゃんと読んでないので、あるいは書いてあるかもしれませんが)。
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