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夏目房之介の「で?」

佐藤敏章『手塚番 神様の伴走者』(小学館文庫)

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ビッグコミック編集長・佐藤敏章がインタビューした手塚番編集者たちの証言を集めた一冊だが、手塚番のエピソードだけではなく、マンガ研究にとっては超貴重な人々の証言集。文庫版では、「ボーイズライフ」「ビッグコミック」の創刊編集長である小西湧之助インタビューをプラス。小西の証言は、やはり佐藤による『ビッグコミック創刊物語』という優れたノンフィクションにもあるが、滅多にインタビューとかに出てこない歴史的なキイパーソン(マンガの「青年化」の時代に、大手によるマンガの「中間小説」化を目指し成功した「ビッグ」のコンセプトを作った編集者)なので、じつは超貴重。自身マンガ編集者である佐藤でなければできない仕事で、研究者的にはホントに有難いのである。読物としてもすっごく面白いし、マンガ編集者論、マンガ史にとってもきわめて興味深い本なのである。佐藤さん、感謝です!

https://www.shogakukan.co.jp/books/09406521

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