四方田犬彦/中条省平編『1968(3)漫画』筑摩書房
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ご恵送いただきました。ありがとうございます。
四方田さん、中条さんの文章をのぞき、ほぼすべて既読のものですが、あらためていろいろと思わされました。大山学が寡作にもかかわらず僕のような「マンガ青年」の記憶に残ったのは、やはりその「線」の異様な魅力によるものだったんだなとか、鶴見俊輔は、「貸本劇画」の租を「紙芝居」にみていて、それこそが「限界芸術論」の視角だったんだとか、村上春樹が1984年の時点で「漫画・マンガ」という二重の書き方をしていたことなどです。 また四方田さん、中条さん、ともに指摘している「前近代」の露出傾向について、最近の僕は大正~昭和期の「大衆文化」の反復現象だったのではないか、という直感をもっている。僕自身、かつては「前近代的な土俗性」と考えていたのだが、むしろ「近代」だったのではなか、と。いずれにせよ、興味深い。
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