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夏目房之介の「で?」

ウィンザー・マッケイ没後80年記念出版『リトル・ニモ』

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Photo 出ました! 「アメリカン・コミック・ストリップの最初にして最高の傑作」ウィンザー・マッケイ『夢の国のリトル・ニモ』「完全収録」の『1905-1914リトル・ニモ』448ページ!(小野耕世・訳、解説 小学館集英社プロダクション) すごい! まだ読み始めたばかりだけど、素晴らしい! もともと新聞日曜多色版の大型紙面なので、縮小してはいるが、これが単行本としてはぎりぎりの大きさだろう。小学館集英社プロダクションの快挙である。これで6000円は、はっきりいって安い! 色彩もいいし、読みやすい。これまでも翻訳はあったが、これが最高といっていいだろう。いやあ、満喫。ニモのかたき役で登場したフリップといたずら好きのジャングル小僧が最高にかわいい!

Photo_2 見よ、この波の表現の素晴らしさ。

Photo_3 見よ、この象の迫力!

Photo_4 見よ、この色彩構成! 「日本のマンガが世界一」などと無意識に信じ込んでいる人は、20世紀初めの米国で描かれたこのマンガを一度見てほしい。

「ウィンザー・マッケイは、『リトル・ニモ』のなかで、ありとあらゆるコミック・ストリップの技法上の実験を早くもやってしまったのだ。線と色彩、言葉と画面の全体としての新機軸をうちだした。彼は、コミック・ストリップを発見した、というよりほとんど発明したといってもいいだろう。」小野耕世解説・帯

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