NHK「書聖・王羲之の革命」
http://www.ent-mabui.jp/schedule/17336
http://www.nhk-ep.co.jp/pdf/201301/press201301-01.pdf
2月2日のNHK再放送「書聖・王羲之の革命」の録画を観ました。いやあ、すごいなあ。以前やった王羲之展を観にいって、あまりの混雑、目玉展示の前のラッシュを「歩いてくださ~い」という美術館とは思えない指示で移動しなければならないフラストレーションで、うんざりしたので、今回の展示は観にいかないのだけども、この特番を観たほうが、よっぽどタメになった。
石川九楊氏の解説も具体的で、接写された臨書の筆の動きも面白く、王羲之が筆の書を初めて表現芸術にしたといわれる理由がよくわかる。また、王羲之の書といわれるもののすべてが超絶技法による複製であることは知っていたが、その再現を試みるドキュメンタリーは、複製技法が失われて、現在では再現できない超越的なものであるらしいこともわかった。
ほんの少し書をかじっただけの僕だが、ようやく王羲之の凄さが感じられてきた。ただ見ていただけの頃は正直、どこがいいのか、なぜ書聖なのか、よくわからなかった(拙著『書って何だろう』でも、そう書いている)。見て鑑賞することはもちろん価値のあることだし、深くなっていく行為なのは確かだが、手を通して再体験し、あらためて表現を感じると、やはり違うものが見えてくる。筆の動き、毛先の接触と墨のもたらす跡、それを感じ、フィードバックしつつ反応する身体・・・・。その点、僕の表現論の当初のモティーフと通じる(ちなみに、太極拳、八卦掌とも不思議なほど通じ合う)。
番組を観て「喪乱帖」を臨書したくなった。来月とる休暇期間にやってみようかな。
いや、難しいのは承知ですが・・・・。