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夏目房之介の「で?」

小田切博『キャラクターとは何か』ちくま新書

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しのごのいわずに、読め!
とりあえず、読んでおけ!
・・・・と、このようにいいたい本がまた一冊。
ベンキョになります!

キャラクターという存在を、コンテンツ文化として語る系統と、ビジネスとして語る系統の双方に共通する陥穽と、その理由を、じつにわかりやすい文体で、簡潔に、しかし豊富な具体例をもって語った好著。産業論、市場論としては、中野さんの『マンガ産業論』以外に、これをウチのゼミでも必須の著書として挙げておくつもり。
まったく難しい議論はないので、すぐ読めるし、この一冊あるとキャラクター・ビジネスの世界的な経緯についても簡便な参照文献になる。

とくに、マンガやアニメを必要以上に「日本文化」として奉る傾向や、とにかく作品の質を上げれば(面白いマンガを作れば)雑誌が売れると信じているような人に具体的に反論するときには便利。

〈文化とはある社会の中で固有の文脈によって消費されるものであり、単にコンテンツの質が高ければ受容され、人気を博すといった性質のものではない。〉76p
〈キャラクタービジネスそのものは業種に依存しない〉92p

簡単に書いてあるけど、じゅうぶんに考えれられて練られた文章です。
この他にも、示唆多い記述が多くある本です。

小田切さん、本ありがとう!

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