6月23日、その2エッグで書
シンさんの友人キクチさんが書をなさるというんで、ひさびさ集まって書をやろうと。
右端がキクチさん。
たまさか、24日がお誕生日だとかで、
ワインで乾杯もあり。おめでとう!
ちなみに、左端よりキミさん、隣の怪しいハリマオは書仲間のチューさん、そしてシンさん。
で、彼女の話を聞き、色々話して「カナを習ってないので、やってみよう」ということになり、教わりました。なかなかロジカルで具体的な教え方で、漢字とカナの書きぶりの違いがつかめました。漢字は押し込んでから引いて線を引き、転折や終筆で押し込むことが多いが、カナはむしろすうっと入って中ほどが太く、すぅっと引いて筆を上げ、終筆。線の性質がまるで違う。この「引き」は、漢字と使い方が違い、最初はとまどった。でも、少しできてくると、なるほど、と思った。筆の頭に十円玉をのせて、落とさないように上下で「押し」「引き」を実現する練習も見せてもらった。
カナ練習をしてから、条幅にカナまじりを書こうといく話になり「色は匂へど・・・・」を書く。
その成果。
もうひとつ、重要だったのは、リズム。草書に発するカナは、当然、連綿する。そのさい、文字の一つごとに止まってしまってはカナの流れにならない。仮に文字一つを1小節だとすると、前の小節の最後の音と、次の小節の音がつながり、むしろ小節の途中で止めて考える感じ。リズムは、いってみればレゲェみたいにズレることになる。
このあたり、左端のキクチさんの書を見ると、少しわかるかな。右端は元妻の、真ん中が僕の。キクチさんいわく、元妻のがいちばんデキてる。たしかに。やはり女文字といわれるだけあって、何かなじみやすい表現なんだろうか。
リズムjと連綿のことは、すごく僕にはありがたい教示だった。漢字も、楷書しかほとんどやってない状態で、草書までいってないので、どうしても文字1字で動きが止まる。つなげようとしても、うまくいかなかったのだ。それが、カナでやるとつなげられる。
また、カナ文字列の中心軸は、漢字のそれとはかなり違い、一見左右に揺れていても、じつは全体の連綿で中心をそろえるような効果になる。いやー、非常にありがたい勉強になったです。
こちらは右よりチューさん、シンさん、キミさんの書。キミさんは、相変わらず迫力の中川一政風。チューさんのが、なかなか今回いいと思うのと、シンさんは今回はじめての書で、それにしては面白い。メゲて、ふてくされてたけど、そりゃまがりなりにも2年以上やってたこっちとは違うわなー。
その後、合評会しながら色々と話させてもらったけど、それがきっかけで石川九楊氏のやりたいこととか、彼と僕の意外な共通の背景(ともに明治維新後の西欧近代芸術イデオロギー輸入時に、純粋化した「芸術」概念の枠から外れてしまった書と漫画というジャンルを、そのもの自体として評価批評したかった点)なんかも気づかせてもらって、刺激的な夜でありました。ありがと!