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カラオケで会議でハモってみたくないですか?(微分積分・数学との関係)

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カラオケで会議でハモってみたくないですか?(微分積分・数学との関係)

週末なので、軽い話題を。

● 必ず盛り上がる「ハモり」

カラオケ好きな方は多いですよね。早稲田大学から日本ハムに入団した斎藤佑樹投手もストレス解消によく行かれるそうですが、カラオケで盛り上がる場面の一つが「ハモり」です。先日参加した某宴会での映像を後から見て、ハモりの場面が複数回ありまして、そのたびに会場がみごとに沸きまくっていました。

ハモりを聞かせてくれる歌手は大勢いらっしゃいます。例えば、「チャゲ&飛鳥」さんや「ゆず」さんですね。

でも、ハモりって、プロだけに許された特権というわけではありません。素人だって、しっかりハモれますし、実に気持ちのいいものです。相手の旋律に合わせて、最初はソフトに、徐々にしっかりと、最後はぶつけるようにハモることもできます。

● どんな場合にハモる?

ではどんな時、ハモるのかといえば、音同士の周波数が簡単な整数比になるときハモります。一番わかりやすいのが、一オクターブの違いです。周波数は倍の違いがあります。音の波がうまく重なりあって強めあうことでハモるという現象が起きます。

また典型的なのが、ドミソの和音です。周波数比で、4:5:6になります。このうちの2つの音を選べば、確実にハモります。

身近な例でいえば、救急車のサイレン音。これは、シとソの音の組み合わせです。なので、この両方の音を思い浮かべて、2人の人でそれぞれの音を声に出せばハモります。これが基本の部分です。後は、曲の旋律に合わせて、この救急車のサイレン音の関係を再現すればよいというわけです。

ただし、どんな場合も使えるわけではなく、曲の中のコード(和音)の進行によって、効果的にハモれる音は変化します。

周波数比で、4:5(ドとミ)基本になりますが、それ以外にも色々とあります。まずは、救急車のサイレンの音を思い浮かべて、声に出すところからハモりを始めてみましょう。

● キーを変えるという技は高校数学の原理が役に立つ

もう一つ、カラオケで歌う時に、原曲のままだと、キーが高すぎるor低すぎる場合があります。そんな時便利なのが、キーを上げたり下げたりする機能です。絶対音感のある人にとっては、オリジナルキーというのは大切です。なぜなら、キーが違うと違う曲になってしまうからです。ですがこのキーを変えられるという仕組みの中には、高校の数学で習った等比数列という原理が隠れています。数の列があったときに、その前の数字との比が一定であるというのが等比数列です。

つまり、「キーを変える」という作業は、ドレミファソラシに、ピアノでいうところの黒鍵をいれた、計12音の周波数の比が、それぞれ、2の12乗根になっているからこそできる技なのです。

ドの音の周波数を1=2^(0/12)とすると、それ以降、2^(1/12) ...... 2^(11/12) となり、最後に、2^(12/12) = 2 となって、周波数が倍になり一オクターブ上の音になります。

● 正弦波の組み合わせ

最後に微分積分との絡みですが、音自身が周期と振幅・位相の異なる正弦波の組み合わせ(積分)で、同じ音(ドレミファ)なのに、楽器や声が違って聞こえるという原理の元になっています。また機会があれば書かせていただければと思います。

世の中には、自分で歌うよりも誰かの歌うのに合わせてハモる方が好きという方もいらっしゃいますので(私や某編集長?)、ハモったことのない方も是非、一度トライしてみてください。実に気持ちのいいものですよ。

● 会議でもハモれる?

以前のブログにも書きましたが、会議等で、意識的に反対意見を出すことがありますが、もしかしたら、ハモるという行為と似ているかもしれませんね。視点を変える、視野を広げるといった行為は音楽でいうところのハモりに相当するかもしれません。

相手がしっかりとした主旋律を歌ってくれると、ハモる方は安心してハモることができますが、時として、主旋律の方が、ハモる方に釣られてしまうことがありますので、要注意ですね(笑)。

反対意見というのは、一オクターブの違いというよりは、感覚的には、5度(ドとソ)のハモりのような気がしています。

PS. 正確にいうと、上記の周波数の簡単な比というのは和声の話で、等比数列というのは平均律の話なので、実際には、周波数には若干の違いがあります。

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