わがままな人をコントロールする術
こちらの記事でもご紹介した、ソプラノ歌手のキャスリーン・バトル。
リンク→人類の最も進化した姿を見ることができるバトルの声
バトルは美貌と声を兼ね備えたスーパースターでした。
しかし、極端なわがままのため、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場を降板させられてしまいます。
この「わがまま」。
特に、ソプラノ歌手にはつきものと言われています。
現在、最高のコロラトゥーラ・ソプラノのナタリー・デッセイも、パーソナルな面ではあまり評判がよろしくありません。
人間の限界に挑戦するような声を出し続けるソプラノにとっては、わがままも自分を守るための知恵なのかもしれませんね。
バトルのわがままについて下記の記事に面白いことが書かれていました。
こちらの記事→キャスリーン・バトルのわがまま ◆「人間力」エピソード集
バトルのわがままの一つとして、どんな場所に行っても、夜中になると「ニューヨークで売っているあのハンバーガーが食べたい」と言いだすというお決まりものがあるのだそうです。
バトルは、ニッカウヰスキーのCMに出演し、日本でも爆発的な人気を博しました。
日本に来日したときも、夜中になると、やはり、お約束のわがままを言い出したのだそうです。
そこで、バトルの来日アテンドを務めた日本の音楽事務所のマネージャーはどうしたのか?
ーーーー(以下引用)ーーーー
「そのハンバーガーはとてもおいしいと思いますが、これは日本でとても有名なモスバーガーのテリヤキバーガーというハンバーガーです。だまされたと思って食べてみてください。とてもおいしいですよ」と言ってテリヤキバーガーをバトルの前に差し出した。
バトルはテリヤキバーガーを「こんなもの、おいしいはずがないじゃない」という目で一瞥したが、手にとって一口かじってみた。その次の瞬間に彼女の口をついて出た言葉は、「これいいじゃない!」。ということでたちまち大歌手のご機嫌は回復。日本滞在中、ニューヨークのハンバーガーのことは忘れてテリヤキバーガーばかりを食べ続けたのである。
こうして彼女はバトルのわがままを見事に回避し、日本公演も成功裏のうちに終わった。しかしアメリカに帰ったバトルは、「日本のテリヤキバーガーが食べたい」とごねてマネージャーたちを困惑させたことは言うまでもない。
人間力のある人は、相手の注意をうまくそらせて、コントロールする術を知っているものである。
ーーー(以上引用)ーーーー
コントロールと言うよりも「日本にはもっとおいしいバーガーがありますよ」という、機転を利かせた一流のおもてなしの精神でもあったのではないかとも思えます。
ソプラノ歌手の伴奏をすると、バトルほどではありませんが、歌以外のことでもいろいろと面白いことが起こります。そういうときの対処法を心得ておくことも、歌の伴奏者として大事なスキルかもしれません。
本日は、バトルがコンサートのアンコールで歌ってくれる日本の叙情歌を再び聴いてみたくなりました。
特に「この道」の素晴らしさ!(下記動画の6:00〜)
日本人の歌手でも、ここまで日本語の発音が明瞭で、心を込めて歌ってくれる人はいません。
日曜日の素晴らしい午前に。
バトルの声をお聴きください。
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