イエスでもノーでもない世界があるだろう
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旅行というものがあまり好きではありません。
ものぐさな性格で、家にいるほうが好きですね。
家にいてもやることはたくさんあります。
仕事で外に出ていても、仕事が終わるとすぐ帰りたくなります。
お友達と会っているときは幸せですが。
ただ、旅行に行くことは自分のためになるので、時間が許せば出来るだけ行くようにしています。
違う文化に触れることで、自分の文化を再確認できるからです。
奔放な作陶で知られる陶芸作家の樂 吉左衛門(らく・きちえもん)さんのインタビュー記事が2012年6月20日日経新聞夕刊に掲載されていて、その中で語っておられることに共感しました。
樂さんは、イタリアに留学して、ゴヤやミケランジェロに感動するけれどなぜ感動するか分からなかった。
そこから「自分は虚なんだ」、と悟ります。
「西洋に行くと、イエスかノーかで理論を組み立てられないと、お前は何を考えているか分からないと言われてしまう。でもイエスでもノーでもない世界があるだろう。そう思って、改めて日本文化に目が向くようになった」
「綺麗でなくても精神的な世界に働きかけてくる存在の確かさ」を求めて、自己否定を繰り返します。
そして、「否定の上に否定を重ねると、全面的な肯定にいたる。」とおっしゃっています。
外に出るとは、インプットだけはなく、自分肯定への一つのプロセスでもある。
これからも少しずついろいろなところに訪れてみたいと思っています。
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