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OracleがNetSuiteを9千753億円あまりで買収

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 OracleがクラウドERPベンダーの老舗NetSuiteを、1兆円を少し下回るくらいの価格で買収するとの発表があった。

 今年5月ののNetSuiteのカンファレンスイベント「SuiteWorld」では、NetSuiteは順調に業績を伸ばしていると言っていた。サブスクリプションの顧客が積み上がって、売り上げの予測が十分に立てられる顧客規模にまで成長したのだろう。

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 この時のイベントでもCEOのザック・ネルソン氏は、クラウドでERPを提供するSAPやWorkdayには批判的だったが、Oracleについては「互いに補完できる関係にある」と言っていた。5月の段階で買収話が決まっていたわけではないはずだが、両社の統合の形はすでにネルソン氏の頭の中には何らか描かれていたに違いない。

 この統合が成立すれば、Oracleは包括的なSaaSを展開する世界No1のベンダーになるのだろう。Oracleとしては、実績のあるサブスクライバーを一気に獲得することになり、積み上げ数字でクラウドビジネスの成長予測がやりやすくなり、クラウドビジネスの成長計画も容易になりそうだ。

 実際に2社の製品サービスを統合するのは、それほど簡単ではないだろう。既存顧客もいるので、強引な統合ではなく連携を軸にした緩やかな統合になるのかもしれない。またNetSuiteには独自のプラットフォームもあり、その上での開発環境も用意されている。プラットフォーム上で作ったアプリケーションのマーケットプレイスもあり、そのあたりがどう進化するのかは注目したいところだ。

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 この買収、もともとOracleの創業者でCTOのラリー・エリソン氏が、NetSuiteのファウンダーでもあるので、予測の範囲と言えば予測の範囲。そもそもNetSuiteは、NetSuiteの創業者でCTOであるエバン・ゴールドバーグ氏が、上司だったラリーに新しいビジネスの相談をしたことをきっかけに生まれている。じつはこのとき、一緒にいたマーク・ベニオフ氏は、同じアドバイスを聞いてDSC 8838クラウドSFA、CRMのSalesforce.comを興しているのだ。そんないきさつがあるとなれば、次はOracleとSalesforceの統合か、なんてことも考えてしまう。

 今後正式に買収が成立しOracleとNetSuiteが統合することになった際には、NetSuiteのクラウドビジネスを成功に導いてきたネルソン氏やゴールドバーグ氏が、Oracleでどんな立場になるのかも気になるところだ。それと何度か取材して感じていたのだけれど、NetSuiteには良い意味で緩い感じのフラットな風通しの良さそうな組織を持っていたように見えたので、そのあたりが巨大なOracleカンパニーになってどう変化するのかも、やっぱりちょっと気になるところだ。

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