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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

手書きってやっぱり便利なんだよなぁと思った

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 佐々木さんもすでにブログに書いていますが、ワコムの「Wacom Allwrite」という手書きアプリケーションをいち早く体験してきた。

 ところで、携帯電話は今ドコモのF-05Dを使っている。この前の機種は、F-12Cというやつ。両方とも富士通のスマートフォン端末だ。この2機種で気に入っているのが、手書きで文字入力ができるところ。前にもブログに書いたけれど、画面にはひらがなでも漢字でも、アルファベットでも書き込め、それらを書き込む際にはひらがなモードとか英数モードとかにいちち変更する必要がない。これ、かなり直感的に入力できるのだ。おかげで、iPhoneやiPadを使う際にもついつい、画面に手書きで入力しそうになる。

 普段はPCのキーボードを打つことも多いけれど、私の場合は手書きの頻度もそれなりに高い。取材などでメモをとる際には、ほぼノートにボールペンで手書きメモをとっている。ボールペンのインクを使い切ることもしばしばなので、換えのインクを箱買いしていたりもするくらいだ。紙への手書きのよさは、どこにでも書けるし、線を引いてもいいし、文字を書いてもいい。書いたものを強調したければ「まる」で囲んだり、先頭に星印を書き加えたり、横にポイントをメモしたりと自由に書ける。これを、なんらかのPC上のソフトウェアの上でやるのは、なかなか難しいの現状だった。なので、やっぱり紙とボールペンは手放せない。

 で、今回のWacom Allwriteだ。これ、オフィスで紙でやりとりしているような業務を、デジタルの世界でできるようにするもの。デジタル化して世の中ペーパーレス化が進んでいるけれど、そのぶんちょっと気がついたことをデジタルドキュメントなりに簡単にメモ書きするとかができなくなったという不満があるわけで、それを解消するソフトウェアだ。これまでワコムは、いわゆるペンタブレットというようなハードウェアしか作ってこなかったけれど、それだけでは顧客の利便性を追求できないとのことで「利用シーンをもっと提案しないと」と考えたとか。その結果生まれたのが、このソフトウェアだ。

 佐々木さんも書いているけれど、ドキュメントの校正作業などをしている際には、いまでは紙ではなくPDFやWordのデジタルデータを使うことが多い。これがじつはけっこう面倒くさくて、私はきらいだ。PDFはなんらか専用のソフトがないと書き込みできないし、それらのソフトが必ずしも使いやすいものではない。PDFを閲覧する環境がことなると、書き込んだ校正指示なりがどのように表示されるのかわからなかったりもするので、ちゃんと意図が通じるか不安になる。そうなると、PDFなりを一度印刷し、それに赤字を入れてからスキャンしてPDF化して送るというなんだか本末転倒な作業をすることも。

 さらにきらいなのが、Wordの変更履歴を使った校正のやり取り。記録が残るからとこれを使われる場合もあるが、もうなんだか画面がぐちゃぐちゃになるし、自分がどこ直したのか分からなくなる。これを使いこなしている人がいるなら、かなり尊敬してしまうというのが自分の状況だ。


wacom.jpg

 Wacom Allwriteはこのようなイライラを解消してくれるソフトウェアだった。直感的に使えることを重視して開発されたインターフェイスは、一見するとそっけない感じもするけれど、それによって操作を迷わないという効果がある。紙だったらできるよねってことが、デジタルの世界で実現できるのがなんとも心地よいのだ。残念なのは、当たり前だけどワコムのペンタブレットが必要だというところ。これがないと、手書きができないのである。全社規模でこれを導入してくれるとか、取引先というか一緒に仕事をする人たちも、同じようにペンタブレットを揃えてもらわないとこの便利さが享受できないのだ。

 とはいうものの、光明もある。そう、Windows 8だ。Windows 7でもサポートされていたが、Windows 8ではよりスレートPCが普及するのではと思われる。そうなれば、自分ではより使いやすいワコムのペンタブレット、取引先はWindows 8のスレートPCでこの手書きの利便性を共有できることになりそうだ。 もう1つこのソフトウェアに対する希望がある。これ、専用ペンで書き込むことがいまの使い方。指での書き込みも可能にして欲しい。これについては、指だと精度が低くなるなどの問題もあるようだが、あとはハード側の問題というか拡張があればできるようだ。ようは、ペンでも指でもOKなスレートPCやタブレットであれば可能となりそうだ。その上で、両手を画面上に持って行ったら、自動的にソフトウェアキーボードが出てきて、そこですぐにキーボードで文字が打ち込めるとなお嬉しい。ここまでくれば、手書きの利便性とデジタルの応用力の広さがさらに融合して、より直感的に利用できる環境ができあがりそうだなぁと思った次第。今後のさらなる進化を期待したい、といったところ。

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