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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

クラウド・コンピューティングって言葉は、まだまだ世間では通用しないんだなぁ

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 13日金曜日の日経新聞朝刊11面に、「日本IBM『クラウド』本格化」というタイトルの記事が掲載されていた。記事を読んだら何かがおかしい。ちょっとこれじゃあ誤解を招くのではと感じたのだ。

 当該の記事の中で、

多数のIT(情報技術)機器を連携させて利用効率を高める「クラウドコンピューティング」事業を本格展開する

とある。うん、クラウド・コンピューティングってそんな話だったけ?なんだか話が違う。 詳細は日経ネットPLUSにあるとのことなので、さっそくそちらも確認することに。すると詳細記事には、次のような記述が。

クラウドコンピューティングは企業内に点在しているIT機器をインターネットなどで結び、各機器の性能を無駄なく引き出す技術。

 こ、これも、自分のなかのクラウド・コンピューティングの定義とはちょっと違うのだけれど。で、こうなったら元ネタをたどってみようとIBMのニュースリリースを見てみると、次のような記述になっていた。

エンタープライズ・プライベート・クラウドはクラウド・コンピューティング技術を企業内や企業グループ内のプライベートなネットワーク環境で活用することにより、お客様がITリソースの動的で柔軟なサービスの提供を、効率的かつ簡単な管理・運用で、安全に適切な品質で行うことができます。

 この記述ならば、自分にはなんとか理解できる。IBMが今回発表したのは「クラウド・コンピューティング」ではなくて「エンタープライズ・プライベート・クラウド」だったのだ。それが記事になる過程でクラウド・コンピューティングとごっちゃになってしまったようだ。IBMのリリースでは、クラウド・コンピューティングについては、周知の事実として書かれているようで、それそのものの解説や説明はなされていない。

 この状況見て、ああ「クラウド・コンピューティング」ってまだまだ世間では通用しない言葉なのだなぁと思った次第。まだこれからしばらくは、リリース文の最後にしつこくクラウド・コンピューティングとは何かの説明文が必要だった、ということのようだ。

 で、ITmediaの記事は、さすがにこんな感じでございます。

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