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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

技術を20年育てること - スバルのアイサイト

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スバルのEyeSightは、自動車に搭載した2つのカメラで物体を認識し、認識した物体が近づき、物体に自動車がぶつかりそうになると自動車自体がブレーキをかけて衝突を回避するシステムの名称です。

テレビコマーシャルで見た方も多いでしょう。EyeSightは購買者が自動車の装備として購入するものであり、必ずしも全ての自動車についているわけではありません。しかし、レガシィでは装着率が90%と非常に高いそうです。また、自動車を買うときの装備という枠を超えて、EyeSightがほしいからスバルの自動車を買うというようなこともあるようです。

EyeSightは車載装備においてソフトウェアで価値を提供していると言えそうです。私は自動車雑誌を読んでEyeSightの存在を知りました。日経エレクトロニクスの特集記事を読んで、この技術をスバルが開発したことを知り、論文を調べてみました。ステレオカメラ(近接して配置した2つのカメラ)での物体認識というタイトルの論文をみつけました。10年以上前の論文です。この技術開発が長い道のりであったことを示していると思いました。

EyeSightの開発の中心人物の1人である樋渡氏のお話を伺う機会をいただきました。20年間、技術開発を継続させることはそう簡単にはできません。お話を伺うと数々の苦労を感じることができました。エンジニアとして、難しい問題に対峙しながらも、決して技術を世に出すことをあきらめなかった経緯を伺って、字面以上の深みと苦労を感じることができました。同時に、このお話を多くのエンジニアに紹介したい、話を聞いてもらって励まされてもらいたいと感じました。

樋渡氏のインタビュー記事が2012/8/7に@IT Monoistにてインタビュー記事が公開されています。記事はこちらから読めます。話を伺うとその苦労が伝わってきます。

また、ソフトウェア品質シンポジウム2012の初日基調講演において、樋渡氏にご登壇いただけることになりました。基調講演は2012/9/13(木)午前中で、東洋大学で開催されます。シンポジウムは8/10(金)までにお申し込みいただくと、早期割引料金となります。詳細はこちらから。私はシンポジウムの実行委員長を拝命しています。

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