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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

レビューの優先順位を決める技法

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修正確認テスト(回帰テスト)の規模が大きくなりそうなところからレビューしていく、という技法の論文が掲載された。レビューで見逃した場合にテストで手こずってしまうエラーを優先的に発見するための技法だ。

我々の研究グループで技法を検討の上、実験したところ効果を確認できた。設計ドキュメントであれば、多くの機能やサブシステムから利用されるインタフェースやプロトコル定義、ソースコードであれば、共通ライブラリ、性能改善部分等、もしもレビューで見逃して、テストで発見された場合に、修正と修正確認コストが大きくなりそうなところから、レビューしていく。

論文では、テスト計画書のような大まかなテスト規模がわかるドキュメントを使って、見逃した場合にテスト規模が大きくなりそうな部分からソースコードを読んでいく実験をした。何も指定しないアドホックリーディングと比較して、レビューで低減できる修正確認テスト規模が半分程度になることが確認できた。

詳細は以下の論文にある。PDFは情報処理学会電子図書館こちらへ。

田村 晃一, 亀井 靖高, 上野 秀剛, 森崎 修司, 松本 健一"修正確認テスト規模の低減を目的としたコードレビュー手法,'' 情報処理学会論文誌, Vol.50, No.12, pp.3074-3083 (Dec. 2009)

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