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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

逃げ腰ではきちんと回答できない

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「ここで質問されるといやだなぁ」と思っているときの質問に対して的確な回答をするのは難しいように思う。その理由は極めてシンプルで、どう言い訳や言い逃れをしようかと考えることに必死になってしまい、質問の意図をくみ取り間違えたり、都合のいいように解釈してしまうからではないかと思っている。Q&Aがうまいヘタに関わらず、逃げ腰のときにいまいちな回答をしてしまうという経験は誰にでもあるのではないだろうか。この回答をすると自身の付近の人に迷惑をかけるかもしれない等、あたりさわりのない回答をしようとするときにも同様のことがいえると思う。

あらかじめそういうことも起きうることを認識しておいたり、困る質問をされた場合であってもうやむやにして逃げようとしない、というのが最も根本的な解決策ではないかと思う。自分自身に言い聞かせたり、学生さんにもアドバイスしているが、イヤなことを言われようとも正しいと判断すれば「そのとおり」と答える覚悟を決めることだと思う(書くのは簡単だが)。

ソフトウェアレビューやインスペクションの指摘にも同様のことが言える。ここはもうひとつ自信がない、とか、いろいろ不明な点があって決めきれていない、というところを指摘されると、つい逃げ腰になってしまうことはないだろうか。過剰防衛したり、話をすり変えたりしてしまった経験が私にもあるが、そういう議論が可能な場であれば「なるほど。たしかにそこは弱い部分と感じています。きちんとしたものに直すために考えなければならないことの中で最も優先順位の高いことは何でしょうか」と、その場で皆で方針を出すべきではないだろうか。

逃げ腰の回答や上から目線の指摘が、ソフトウェアレビューやインスペクションでの効果を下げてしまう原因の1つのように思っている。心当たりはないだろうか。

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