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ドメイン名の財産価値

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ITmedia に「2chドメイン差し押さえ「現実的でない」と専門家 過去に例もなし」という記事が掲載されました。

私もドメイン名が差し押さえの対象になったという実例は知りませんので、「可能性は YES だが、現実的でない」という解釈は「現実的」なものかもしれませんが、いくつか気になる点があります。

> 日本の裁判所に強制執行の管轄権があるかどうかが怪しい
2ch.net のような gTLD についての管轄権はあるでしょう。たとえば、ドメイン名紛争では WIPO(World Intellectual Property Organization)という機関が知られていますが、WIPO の裁定で敗訴しても、各国の裁判所に申し立てすれば移管を保留できます(※)。レジストラ/レジストリが米国にあるからといって米国の裁判所だけが管轄権を持っているのでは、米国の原告だけが有利になってしまいますし、逆に米国以外のレジストラに登録されたドメインを米国企業が訴えにくくなってしまいます。たとえば、商標違反などを理由に WIPO に申し立てすれば(最低費用$1,500)、ドメインの制御は簡単に凍結されます。すでに裁判所の差押さえ命令の書面をレジストラ(TuCows)に連絡しているのかどうかわかりませんが、その結果については非常に興味深いです。
※「統一ドメイン名紛争処理方針(参考訳)」の第4節k項

> 財産的な価値はあまりない
他の方のエントリへのコメントなどで書きましたが、2ch.net というドメインは alexa の世界ランキングで235位(今日現在)というモンスタードメインです。その所有権がオークションに出されるということになれば、数万ドルの値が付いてもおかしくはありません。100万円なら私が出します :-)

ちなみに、2ch.net のように育て上げられて価値を持つようになったドメインもそうですが、ドメイン名の財産価値というものがどのように評価されていくのかは興味深いところです。ほとんどの人は興味を持たないけれどマニア垂涎の“骨董品”などは、どのように評価されているのでしょうか。

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