ゆるキャラから考える地方創世:あなたはいくつのゆるキャラがわかりますか?
いきなりですが、質問です。
ここに10体のゆるキャラがあります。
あなたはいくつご存じでしょうか?
「ちょっとマイナー過ぎるんじゃないの?」
「一つもわからない」
という方が多いのではないかと思います。
実は、この10体は、「2014年 ゆるキャラ グランプリ」の1位〜10位にランキングされたゆるキャラです。
答えは、こうなっています。
ちなみに、この「2014年 ゆるキャラグランプリ」の応募総数は1699体。その中からの選りすぐりが、この10体です。
いわば「甲子園組」とも言えるゆるキャラです。
でも、意外と知られていないのが現実なのですね。
では、なぜ地方自治体がこぞってゆるキャラに力を入れているかというと、恐らくこの方の影響が大きいのではないかと思います。
1244億円の経済効果って、スゴイですよね。ちなみに日銀熊本支店の試算だそうです。→詳しくはこちら
興味があったので、内訳を調べてみました。
1244億円のうち、物品販売効果は1232億円だそうです。実に99%です。商品としての「くまモン」は大成功ということですね。
一方で、観光消費効果は12億円。全体の1%。熊本県内観光地のアプリダウンロード数(14万)と、くまモン誕生祭来場者数(4.5万人)から試算したそうです。
あくまで試算なので、実際には12億円よりも多いかも知れませんし、実はそれよりも少ないかもしれませんね。
あの大成功したくまモンでも、観光集客効果は限定的です。
考えてみたら、「くまモンがあるから、熊本に行ってみた」という人は、それほど多くないのではないでしょうか?
私も試しに回りの人たちに聞いてみましたが、そういう方はいらっしゃいませんでした。
観光振興の一環でゆるキャラに力を入れている自治体が多いのですが、ゆるキャラグランプリへ1699件応募があったという話を聞いたりすると、つい「同じお金と時間、手間をかけるのならば、もっと大事なことがあるのではないかな」「ゆるキャラが有名になれば、地域振興ができると短絡的に考えておられるのでは...?」と心配してしまいます。
本来、ゆるキャラは「地域の魅力を高める一つの手段」に過ぎないのであって、目的ではないはずです。
いま、「地方創世」が日本で大きなテーマになっていますが、もっと地方自治体が、「自分たちの地域らしさは何か?」を考えるようになれば、日本の地方ももっと元気になるのではないかと思います。