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「走りながら考える」の言葉の意味が、この30年間で変わってきた

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昨日のブログの続きです。

「走りながら考える」という言葉があります。

 

1980年代後半、私がまだ20代だった頃は、先輩社員が「あの人は、相変わらず走りながら考えているなぁ」と言うことがありました。

当時、「走りながら考える」という言葉には、どちらかというと「もっとちゃんと考えた上で行動するべきだ」という多少揶揄するニュアンスが入っていました。

 

しかし現代では、「走りながら考える」という言葉のニュアンスはかなり変わってきたように思います。

揶揄するニュアンスはなくなり、むしろ「タイミングを逸しないように、実行力を重視している」というポジティブな意味が強くなっているのではないでしょうか?

 

ただこのことは、「戦略を考える必要はない。まずは実行だ」という意味に捉えると、本質を見間違えるかもしれません。

「3ヶ月の完璧な戦略を立てる」のでなく、「半日で仮説を立てて、すぐに実行する」形に変わってきた、ということだと思います。

言い換えると、「時間をかけてあらゆるケースを想定して熟考を重ね、戦略を立てた上で、実行する」という方法論から、「迅速に仮説としておおまかな戦略を立てた上で、まず小さく実行し、仮説を検証しながら速度を上げ、規模を拡大する」という方法論へ、変わってきたと言うことだと思います。

 

「走りながら考える」という言葉のニュアンスが変わってきたこと自体、この30年間で「時間が第5の経営資源」になっていることを象徴していることなのでしょう。

 

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