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3月9日(水)の昼、東京の高層ビルがゆっくり揺れた理由

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3月9日(水)の昼、私は東京・箱崎にある日本IBMの本社13Fにいましたが、オフィス全体が急にゆっくりと大きく揺らぎ始め、建物全体が数分間ゆっくりと揺れ続けました。

周りの多くの人が、「最初、すごくめまいがするけど調子が悪いのかな、と思った」と言っていました。

東京でこの時間、同じように感じた方は多かったのではないでしょうか?

 

ちょうどこの時、400Km以上離れている宮城県北部で震度5弱の地震がありました。

ちなみに東京は震度2。本来、多くの人たちが気づかない程度の揺れです。

しかしこの地震、震源から遠く離れた高層ビルが大きく揺れる「長周期地震動」だったようです。

「長周期地震動」とは、数秒に1回程度の周期のゆっくりとした揺れのこと。

長周期地震動による震動が高層ビルの固有振動数と一致しやすくなることが多いため、建物全体が数秒から数十秒の周期で数mから10m程揺れることになります。

例えば、2003年の十勝沖地震の際、遠く離れた北海道苫小牧市の石油コンビナートで火災が起きたのも、石油タンク内で揺れて溢れた石油に引火したのが原因です。

 

当日、オフィスでは数分間も揺れが続き、「気分悪くなってきた」という人も出ました。

 

ちなみに、地震の震動波は、速く伝わる縦揺れ(P波)と、やや遅れて遠くまで伝わる横揺れ(S波)があります。

もしガタガタ揺れてすぐに横にゆらゆら揺れたりすると、震源地がとても近いということになります。

これがガタガタ揺れの後、時間が経ってゆらゆら揺れると、ちょっと震源地が遠くになります。

さらに、ガタガタした揺れがほとんどなく、ゆったりとした揺れが続くと、震源地は遠い、ということになります。

1995年の阪神淡路大震災の日の朝、私は神奈川県大和市にある14階建てのマンションに住んでいましたが、非常にゆったりとした揺れがずっと続きました。

今回は縦揺れがほとんどなかったので、関東地方が震源地ではないだろう、ということは分かりました。

それにしても400Km以上も離れているとは思いませんでした。

 

当日は都庁のエレベータも揺れを感知して数分間停止したそうです。

Twitterでも、「すごく揺れている!」というつぶやきが多く見られました。

巨大な高層ビルが共振するとは、ものすごいパワーですね。

 

 

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