双葉山・千代の富士・白鵬...大横綱の活躍に、日本の社会を重ね合わせると、相撲界は意外と進んでいるのかも?
昨日に続いて、横綱のお話しです。
歴史に残る連勝記録を作った横綱は、まさにその時代の社会を体現しているように思えます。
■69連勝(1936年~39年)と36連勝(1942年~44年)の双葉山
69連勝中は、日本は中華事変。
36連勝中は、太平洋戦争。
明治維新以来の戦争には負けたことがなかった日本は、当時、不敗神話が信じられていました。
不敗を続ける双葉山は、この神国日本の象徴として絶賛されました。
■53連勝(1988年)の千代の富士
この頃の千代の富士は、私もTVでよく見ていて、応援していました。
幕内最軽量クラスの千代の富士が、当時大型化していた巨漢力士を腕っ節一本でぐいぐい引き回すその姿。
当時、日本はバブル前夜で、高度経済成長の頂点。
敗戦で小国になった日本が、米国の立場を脅かすまでに成長した姿と、千代の富士の活躍を無意識に重ね合わせる人も多かったのではないでしょうか?
■そして現在55連勝(2010年)の白鵬
千代の富士の時代、「黒船来航」とも「小錦旋風」とも言われた小錦の活躍に対しては、日本相撲界は「国技が外国人に乗っ取られる」というある種の危機感を持っていたように思います。
しかし20年の時が過ぎて2010年。モンゴル出身の白鵬は、あえて「外国人力士」と言われることもなく、その真摯でひたむきに土俵に向う姿勢は、高く評価されています。
「外国人枠」がまだ残っているプロ野球と比べても、相撲界は日本人力士と外国人力士を隔てる壁はかなり少なくなっているのではないでしょうか?
色々と言われている相撲界ではありますが、世界でグローバル化が急速に進んでいる現代、日本のメジャーなスポーツ界において、もしかしたら相撲界は一番グローバル化が進んでいるのかもしれません。