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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

社会ごとのアジェンダの違いを認識しよう!

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久しぶりにダッカへ来ている。それにしても同じアジアだが、アジアは広い。昨日シンガポール経由で来たが、フライトだけで合計11時間、北米に行ける距離だ。もちろん直行便があれば多少は短くなると思うが。

さて、先週は、とある大学の国際研究所のシンポジウムに参加した。なかなか立派なパネリストたちで、東アジアや、アジア圏が話題だったが、面白い話が聞けたし、このようなシンポジウムを開催し、満席に出来る大学は頑張っていると思う。

ただ、参加者の質問などを聞いていて、違和感があったのは、日米は全く同じ論理で動いている、わが国と米国は一体であって、それに対して中国は国際ルールを守らないならず者だという認識が定着していることだ。

例えば法の支配、或いは法治国家ということについても、現在の国際ルールはこれまでの先進国にとって相応に好ましい形で決まっているのであって、これが本当にかなりその構図が変化しつつある現在の国際社会にマッチしているかは必ずしも定かではない。

また、日本そのものが、本当に欧米流の法治国家、或いは法の支配に基づいているかどうか、或いは国家としてそのように扱われているか、というのも明白ではない。日本は、安全保障を他国に依存している異例な国家であり、そして国連では敵国条項対象国なのだ。

ましてや、もっぱらキリスト教国を中心に出来てきた先進諸国の国際ルールが、例えばイスラム圏にとって適切であるか、或いは戦後何度も繰り返されてきた南北問題は解決しているのか、課題は山積している。

もうひとつ気になったのは、中国と韓国を同一視する見方だ。確かに、竹島と尖閣、戦争補償問題など、一見共通の問題が存在するのは事実だ。だが、ある意味で歴史的に見て中国に対する属国と言う意味では、日本と韓国の方が共通点が多い

加えて、そもそも中国文化をベースに発展したという歴史的経緯、更には米国に相応に軍事的に依存しているという点でも、韓国は日本に近い部分がある。このような点を捨象して、両国に対する問題、或いは逆にわが国の課題を議論するのは無理があると考える。

世界中で、20世紀以上に国際紛争が発生している現在、大事なことは自国、或いは自らの社会の位置づけをきちんと認識し、一方で生物学でいう分類学のように、それぞれの歴史的背景やそのよって立つアジェンダを理解した上で、もう一つの分野である生態学の観点から共通点を探りながらつきあって行くことだ。

パネルディスカッションで面白いと感じたのは、北朝鮮とイランの共通点や相互交流に関わる話題だ。ちょうどアルゴという映画が流行っているところだが、いわゆる西欧圏とそれ以外の諸国の間に広がる溝は大きい。

テロリズムや、他国の国民の生命を脅かすような行為は厳に戒めるべきだが、そのような事態に陥った原因はあるはずだし、それぞれの社会の原理は必ず歴史的な経緯を持ち、現実に機能してきたというのも事実だ

そこに特定の論理、アジェンダでどこまで関与していけるのか、これから北アフリカやシリアで、引き続き同様の問題が起きてくるだろうし、世界最大の国家中国についても、夏王朝時代以降の特有の国家観、社会観が共産主義という衣の下で、どう進んでいくのか、冷静に見つめることが求められる。

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