2014年に登場する「コンビニの新商品」を予想してみよう(前編)
こんにちは。今回もお読みいただきありがとうございます。
さて、いきなりですがちょっと告知を。
この度「Business Media 誠」で新しく連載をスタートすることになりました!
企業のWebサイトを見てみると、プレスリリースのほかに、決算情報や月ごとの業績資料など、参考になる情報がたくさん眠っています。それらを見るのは主にマスコミや専門家ですが、ビジネスパーソンにとってもためになります。「企業→マスコミ→自分」という情報の流れのほかに、「企業→自分」という情報の流れを持つことは、スピード感が求められる今のビジネス社会では、大きな"武器"になるでしょう。
この連載では、企業が発表するプレスリリースを題材に「なぜこのような発表が行われるのか?」「この発表の舞台裏では何が起こっているのか?」「今後、この企業はどうなるのか?」という疑問に対して、著者がときに答え、ときに推測します。
どうぞこちらもごひいきに。
あ、このブログも勿論書き続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、この「数字のオモテとウラを学ぶコラム」、連載スタートを飾る1発目の記事では、セブン&アイホールディングスが最高益をたたき出した背景を紹介しています。
で、記事の文章の結びには、こんな言葉を入れています。
これからも私たち消費者をますます便利に、楽しくするような新商品を出し続けること。それがコンビニ業界の生き残りのための必要条件と言って良いのかもしれません。
さあ、次はどんなヒット商品が出るでしょうか?
今回はコラムの「裏記事」として、ズバリこの疑問について皆さんと考えてみたいと思います。
すなわち・・・
2014年、コンビニに登場する「新商品」は何か!?
この問いについて、ロジカルに、そして大胆に予測しちゃいましょう。
(長くなったので今日・明日と2日に分けて投稿します)
まずはアイテムを分類しよう
新商品の開発がコンビニの生き残りの条件。だとしたら、その「コンビニの新たな収入源」を、どこに求めれば良いのでしょうか。
そもそも、コンビニにはどれくらいのアイテムが陳列されているかご存知ですか?もちろん店舗の大きさにもよるのですが、平均的にみて2500程度のアイテムが、一つの店舗に並べられていると言われています。
言ってみれば新商品開発は「2501番目のアイテム」を見つける(あるいは、作り出す)ことになるわけです。だから、まっさらな状態で「新しい商品、コレが出ると思う!」と指摘することはとっても、とーーーっても難しい。
こういうときに「だいたいこの辺じゃないかなぁ」とあたりをつけるために、どうするか。
2500という数に溺れないためには、これらのアイテムを何らかの基準で「分類」していく必要があるわけです。
分類の仕方にも色々あります。
- アイテムのジャンルに基づく分類
- 価格帯に基づく分類
- 「男性向け、女性向け(、共通)」に基づく分類
- 保管温度(冷凍・冷蔵・常温・ホット)による分類
などなど。
今回は「アイテムのジャンル」で分類をしていきましょう。何となく「どんなものを売っているんだっけなぁ・・・」と考えてみると・・・
「弁当」「惣菜」「おにぎり」「サンドイッチ」「おでん」「ホットスナック」「飲み物」「お酒」「化粧品」「雑誌」「マンガ」「本」「新聞」「サプリメント」「栄養ドリンク」「あめ」「ガム」「お菓子」「アイスクリーム」「スイーツ」「乾電池」「携帯の充電プラグ」「ボールペン」・・・・。
例えば数名で思いつくままにあげれば、たちどころにこれくらいは並ぶと思います。これだけ沢山並んでいると、「まぁこんなものかなぁ・・・」と思ってしまいそうなところですが、実はこれだと、2つの心配があるのです。
心配①:今書いたものの中で、ダブってるものもあるんじゃない?
心配②:本当にこれで全部?モレてるものもあるんじゃない?
心配①は、例えば「惣菜とおでん」「飲み物とお酒」「あめとガムとお菓子とスイーツ」など、ジャンルの中に包含や重複が存在するケースです。この心配を解決するためには、書き出した要素を一つ一つ検分していって、「これはひとくくりにしちゃおう」とか「飲み物は(お酒を除く)としておけばいいかな」とか、線引きの仕方を考え直していくことになります。
やっかいなのは心配②です。2500のコンビニアイテムを本当に全て網羅できたでしょうか?そのことをどうやって確認すればいいでしょうか?・・・コンビニを運営している企業や店舗のオーナーさんなら商品リストを持参すれば済むのですが、私たちはそういうわけには行きませんので、代わりの方法を探してみる必要があります。
私が行った方法は「頭の中でコンビニ店舗の『棚』をひとつずつ思い出す」というものです。2500のアイテムを全て思い出すことはできなくても、棚の並び方なら思い出せますし、何なら紙に書くことだってできそうです(あ!もちろんコンビニに行ってしまうという手もあります)。これで何とか網羅的にアイテムのジャンルを思い起こしていきましょう。
・・・そうすると、先ほど挙げたアイテムにはなかった「タバコ」「プリペイドカード」「パン」「傘」などを拾い上げることができます。
ただ、細かすぎるとジャンルに区切った意味がなくなってしまうので、同じようなジャンルをある程度集約していきます。
「お弁当、惣菜」
「おにぎり、パン、サンド」
「飲み物(酒類除く)」
「新聞・雑誌・書籍」
「アイスクリーム」
「お菓子・スイーツ」
「酒類」
「文具、小物家電」
「日用品、衣類、薬」
「たばこ」
これくらいの分類数(10個)なら、分析するときにもコンパクトにやれそうな気がしますし、あまり集約しすぎると分析がぼやけてしまうことにもなりかねませんので、いったんこの分類のまま、進めていきましょう。
ちなみに、今回のような「モレ」「ダブリ」がない状態を、「MECE(ミッシー)」と呼びます。「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略。直訳すると「相互に排他的で、全体として網羅的」。つまりモレ・ダブリなしということですね。
例えば消費者を性別(※)や年代で分類するのもMECEです。
※厳密には、性別は「セクシャルマイノリティ」と呼ばれる方々を含めて考えるとMECEにするのが大変難しくなります。ただ、例えばアパレル業界では「男性用」「女性用」のアイテムを用意すれば、セクシャルマイノリティのニーズをも満たすことができます。MECEそのものの厳密性にこだわりすぎると、ムダに時間がかかることもあるので、ある程度の割り切りも肝心です。
・・・と、ちょっと長くなってしまったので(すみません)、この続きはまた明日投稿したいと思います。
まーやんがどんな新商品を予想しているのか、明日の記事にご期待ください。