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英ボーダフォンについて~背景に経営陣の対立?

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英ボーダフォンに関する、日曜日の報道をまとめました。

まず、5日付けのサンデー・テレグラフ紙には、英ボーダフォンのアルン・サリーンCEOへの単独インタビューが掲載されました。

Vodafone plans record £5bn dividend

http://www.telegraph.co.uk/money/main.jhtml?xml=/money/2006/03/05/cnvoda05.xml

その内容は、日本でもすでに報じられているように、ソフトバンクへの日本のボーダフォンの買収に関し、「交渉は3-4週間でまとまるだろう」、日本法人売却で得た資金50億ポンド(1兆円)は「株主に配当として還元する」というものです。

ちょっと気になるのは、サリーンCEOが単独インタビューを受けたのが、経済専門紙のフィナンシャル・タイムズ紙や、ビジネス・ニュースに力を入れているサンデー・タイムズ紙ではなかった点。うがった見方をすると、「インタビューには応じるが鋭い質問はやめて欲しい」というサリーンCEOの願望があるように感じられます。

では、その聞かれたくないことは何かというと、5日付けサンデー・タイムズ紙に掲載された記事に、詳しく触れられています。

Focus: Can I top up my mobile loss to £35bn? http://www.timesonline.co.uk/newspaper/0,,176-2069757,00.html

On Monday, and for much of the week, rumours swirled among Vodafone insiders that Sarin was about to be sacked in a showdown with MacLaurin.

先週、サリーンCEOは、マクラーレン会長と対立し、解任されるのではないかという噂が英ボーダフォン内部で流れた。(ただし、英ボーダフォンは、この噂を否定しています)。

サリーンCEOが、日本のボーダフォンの売却を決断した理由として、売却により得られた資金で株主への配当を増やし、そうすることで株主の支持を得て、自分のCEOとしての地位を固めようとしたのではないか、と見ることもできます。

いろいろな思惑が交錯しているようで、今後の成り行きが注目されます。

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