(029)社員のハピネスを高めると成績が上がり、会社は儲かると証明できると思いますか?
著者は、出来る営業も出来ない営業も実は紙一重、、を標榜してBlogを綴っております。
そのエッセンスは、営業の心に躍動感を引きおこせば大きく変わるということです。
その心はやらされている、、という意識から自分から行動する意識に変わることで自ずと差は縮まっていく、、という考え方です。
筆者自信これはかなりアナログな話であり何か科学的に証明できるデータは無いものか?とかねがね思っていました。
029話は学問的に研究して計測をした研究家がいることを人材育成研修に熱心なJEMCOの小倉さんから教えてもらい、私が追求しているテーマが科学的に裏付けることができる可能性を感じたので紹介しようという話です。
カリフォルニア大学リバーサイド校のソニア・リュボミルスキ教授の幸福の心理学と人間の計測と定量データ解析を専門とする(加速度センサーによって人のハピネスを測定する)日立製作所中央研究所の矢野和男さん(現東工大教授)のコラボ研究成果です。
リュボミルスキ教授はハピネスを高める施策を行えば人の行動が変わり人のハピネスはその人の周りに伝搬しハピネス推進の輪を自律的に広げていける、、、と考えていました。
従来の心理学的研究では被験者に質問に答えてもらうことで「心」という捉えどころのないものを数値化して来ましたが計測が難しかったのです。
当時日立中央研究所の矢野さんは、社員の幸せを向上させる施策の効果を測ろうとするとインタビューで大まかに定量化されたものでは限界がある、と考えました。そこで人が幸せに感じていることをセンサーで測れないか?という研究が始まったのです。
矢野さんは、ビジネス顕微鏡と称する名札型のウェラブル加速度センサーを開発して
・対面情報
・身体的な動きの情報
・何処にいたかの場所情報
をBigDataとして収集して人の活動量と幸せ感の相関を調べたのです。
ベンチマークは毎週10分間で今週良かった!!と感じたことを書いてもらった人と中立的なことを書いてもらった人に2ヶ月間センサーを付けてもらい活動量を比較分析した結果;
今週良かったことを書いてもらった人の方が朝から活動量の立ち上げが早くなりピーク時間がより前倒しされ帰宅時間も早くなった。
内面深くにある人のハピネス感と身体活動の総量が深い相関を示したのです。
人がハピネス感を感じた場合、行動は自発的に積極的になりその人の周りに伝搬しハピネス推進の輪を自律的に広がって行き
・チームプレイの業務で、37%を超える生産性の向上
・コールセンターのようが個人プレイの業務で、10~20%の生産性の向上
・創造性が求められる業務で、300%に及ぶ効果が報告されてます。
ギャラップ社によると、積極的な行動が見られる企業とそうでない企業の一株当たりの利益は10%異なると報告してます。
営業マンの心に躍動感が宿れば行動は変わる、、それが業績の差を縮小していく、、という筆者の追求テーマが理論付られる気がします。
よく語られる20、60、20という分布の話、私のテーマは中間にいる60%の層に何か福音を、、という狙いでもあります。
科学者が書いた研究書ですので、読み解くのに多少時間を要しますが、詳細は本を読まれることをお勧めします。
経済産業省による「なでしこ銘柄」、東京証券取引所による「健康経営銘柄」
にダブル受賞したJALの記念フォーラムに招かれ参加して来ました。
今企業が力を入れている健康経営への投資を正当化する出来ると思いました。
著者が営業課長駆け出しのころの実話です。
秋になって課の数字が目標(ノルマ)に届きそうもないことが確定的になって来ました。
そこで全員で石和温泉に行って半日会議をやって翌日テニスとぶどう狩りをしよう、ということになりました。
会議で皆の数字を集計してもかなり厳しい見通しは変わりませんでした。
これ以上会議やっても変わらない、、、ということで温泉に入り宴会となりました。
当時会社はラインレクリエーションといって、一人あたり数千円の補助金を出してくれました。その資金をかき集め芸者を呼んだのです。
三人の芸者が三つ指をついてお座敷に入って来た瞬間急変しました。
一気に盛り上がり皆がハッピー感に溢れ業績低迷を打開する心の躍動感が連鎖して繋がったのです。宴は更に場外戦に発展し一段とハッピー感が高まりました。
更に翌朝のテニス大会での身体運動で身体の活発度が加わりました。
部下同士の繋がりと上司の私とが三角形で形成された瞬間、奇跡的に私の課は全員火事場の馬鹿力を発揮して全員目標を達成したのでした。
あの奇跡は偶然だったのか? 時々考えていました。
34年後の今、リュボミルスキ教授と矢野和男さんの研究で
ハッピー感から俺達はやれるかも知れない、、という連鎖的な伝搬が起こり、その空気がチームに伝染した結果奇跡が起こった可能性が高い、、と考えるのです。