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米国では1年ちょっとでDRMフリー音楽配信が当たり前になってしまった件について

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Wal-Martが販売していたDRM認証サーバの運用を停止するということで、DRM付きMP3ファイルを買っていた消費者がファイルの転送等ができなくなってしまうということが、ちょっと問題になっています(関連記事)。Wal-Martは、DRMサーバの遮断前にCD-Rにコピーすることで対応せよと言っているようですが、「リファンドしろ」という声もあるようです。

Wal-Martがどうするのかはわかりませんが、これを見て思うのは米国ではDRMフリーの音楽配信が当たり前になってしまったんだなあということです。

昨年の2月にスティーブジョブズが「DRM不要論」を提唱した時は、「そんなことをしたら違法コピーが蔓延して音楽産業は壊滅する」とか「DRMを廃止できないのとわかっていてのジョブズの詭弁である」というような意見がありました(私も後者の立場でブログ・エントリーを書いたりしました)。

それから1年ちょっとですがDRMフリーの配信が当たり前になってしまったのには感慨深いものがあります。それでも米国の音楽産業が壊滅したという話は聞きません(「CD販売産業」は衰退していますが)。

結局のところ、好むと好まざるとにかかわらずデジタルコンテンツがどんどんコピーしやすくなっていくというのは「自然の摂理」なので、その流れに乗ったビジネスモデルを考えないといけないということでしょう(もちろん、今すぐにすべてのデジタルコンテンツが無料になるというわけではないですが、長期的方向性としてはそういうベクトルにあるということです)。

そういう意味では、ひろゆき氏のmF247 Episode 2には個人的にちょっと期待したりしてます。

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