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ライブ告知+JASRACとライブハウスについて

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完全に趣味のお話しですが、2月23日(土)に沼袋のOrganJazz倶楽部にてジャムセッションのホストをやります。このお店は、現時点では都内で唯一のハモンドオルガン(本物)常設店です。今回は、メジャーCDデビューも決まった女の子バンド、ビアンカのドラマー三科律子さん(ウマイ、カワイイ)が、忙しい時期にもかかわらず手伝ってくれることになりました。

なお、正確に言うと、これはライブではなくジャズのジャムセッションです。楽器を弾ける人が集まって、その場で順番決めて、その場で曲を決めて演奏していくというジャズならではのイベントです。人前で演奏するのは初めてみたいな人と、CDも出してるようなプロが一緒に演奏できて、ちゃんと音楽として成立する(たまにしないこともありますが)というジャズは大変「便利」な音楽スタイルです。また、三科さんは私とは二周りくらい年齢が違うと思いますが、お客さんの中には還暦過ぎたような人も来ますので、三周りくらい年が違う人でも打ち合わせなしで一緒に演奏できてしまうということになります。こういう点でもジャズは趣味でやるにはすばらしい音楽スタイルと言えます。

しかし、ここんとこ仕事がピークなのと、ちょっとでもヒマが出来るとついつい初音ミクの打ち込みをやってしまうので、まったく楽器にさわっておりません。さらに、直前までFAST Search社のイベントでオーランドなので、私の演奏はボロボロだと思います。まあ、ライブではなく、ホスト(仕切り)なのであんまり関係ないですけど。

ちなみに、参加者のレベルは初級~中級くらい(まれにプロ登場)。コード譜みながら通常のスタンダード曲が演奏できれば問題ありません。聴くだけの人もOKですが、ちょっと居心地が悪いかもしれません。

ところで、以前妹尾さんのエントリーでJASRAC利用料とライブハウスでの演奏について書いてあって、コメントしようと思って忘れていたのですが、定常的に音楽を演奏しているライブハウスであればお店がJASRACに包括的に利用料を払っているので演奏者側は著作権利用料については気にする必要がありません。聞いた話では、新しくライブハウスができるとすぐJASRAC担当者がとんできて契約させられてしまうようです。JASRACのオペレーションにおいて世の中的に議論の対象となることが多いのは、ネットよりも生演奏の方だと思います。「JASRAC ライブハウス」で検索するといろいろと出てきます。

問題の根としては、1)利用料が店の席数等で機械的に決まってしまうのと、売上の何パーセントという計算ではなく絶対金額として決まっているので、零細ジャズ喫茶等の負担が大きい、2) 利用料が包括的に集められるので権利者にちゃんと渡るのかどうか安心できない、という点が大きいのではと思います。著作権フリーの曲しかやらないと主張しても「JASRAC管理曲をやらないとは確信できない」という理由で利用料が徴収されてしまったりするみたいです。

また、2)についてですが、生演奏ではネットとちがってさすがに、演奏する曲を逐一報告するのは事務作業的に非現実的なので、包括的に徴収後、権利者に分配というどんぶり勘定になるのはしょうがないのですが、分配のルールはどうなのよという話があります。どうやら、サンプリング調査によって決めるらしいですけど、ジャズ系の(ロック系、ソウル系でも同じ?)ライブハウスですと、実際には、JASRAC管理曲を演奏することなどほとんどなく、海外の著作権管理団体に対してJASRAC経由で使用料が回ることになるわけですが、直接、海外に支払えないのかという議論も当然にあるでしょう。

この件について、昔、2ちゃんねるのスレで「米国の著作権管理団体(BME/ASCAP)が日本に支部を作り、洋楽系のライブハウスはそこと契約すればよくなる」なんて話を書いていた人がいました。その後、このような話は聞いていませんが、単に誰かの妄想だったのか、具体的な話としてあったのにつぶれてしまったのか興味があるところです。

また、「日本は、米国と比較してライブハウスの著作権利用料が高いので、生演奏のできる飲食店が少ない」みたいなことを書いてる人もいました。これも根拠データが知りたいところです。

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