UltimateEars TripleFi 10 Proをリシェル
私のかつての愛用イヤホンであったUltimateEars TripleFi 10 Proですが、一時期息子に貸していてボロボロになり、最近になって周波数特性を測ったらどうも左右が揃っていないことに気付き・・・分解してみると、
片方、高音側のグリーンフィルターがありません!これでは左右で違うはずです。
とはいえ、高音でグリーンとはなかなか強力なものを使っていますねぇ。
すでに何度もこの状態に外れていましたので、落ちてしまったのでしょう。まあ、だいぶ古いのでプラスチックも劣化していますし、そろそろリシェルしてみることにしました。そもそもカスタムIEMを作り始めたときに、真っ先にリシェルしたかったのはこのTF10Proなのですが、気に入っているだけにリシェルして失敗するのが怖かったのですが、さすがに8個カスタムIEMを作りましたし、UE11Proのリシェルもしているので大丈夫でしょう。
さて、UE11ProではフェースのUEロゴは中古で入手したものを強引にそのまま使いましたが、TF10Proはフェースがないので、自作しないとなりません。せっかくなので古いロゴで作ってみることにしました。いつものようにシルバーのインクジェットラベルにプリントしてデザインナイフでカット。「e」はカットが難しいですねぇ・・・。切る順番を間違えるとどうやっても切れなくなります。
なお、今回はUVレジンの在庫が減ってきているので、100円ショップの色付きUVレジンを使いました。個人的にUVレジンは断然「太陽の雫」が好きなのですが、このセリアのUVレジンはまずまずのものだと思います。いつまでもベタベタしているものや、固まっても何となく透明感がないもの、硬さがイマイチなものなど、UVレジンによってかなり違うのです。
まあ、なんとか遠目にはそれっぽくなりました。
シェルはだいぶ残り少なくなってきた使い古しのUVレジンを使ったので、少々出来が悪いですが、最後にごまかす作戦で・・・。冬だとUVレジンの固まりが少し遅いですね。
フェースが何とかなったので、TF10Proを分解します。一応2ピンのコネクタも綺麗に分離しましたが、コネクタは他と共通のMMCXにします。一応、分解した状態でネットワーク回路も調べましたが、公開はしないでおきます。
ネットワークも音響フィルタもオリジナルを尊重し、そのままの構成にします。チューブの長さもできるだけオリジナルと同じイメージで高音側を短くしました。
完全オリジナルでの製作の場合はフェースをつける前に音色の試行錯誤をするのですが、今回はとにかくオリジナルのままにしますので、すぐにフェースもつけて仕上げていきます。
一度完全にヤスってから、UVレジンを筆塗りして仕上げます。
アップにするとやっぱりロゴの手作り感が出てしまいますねぇ。
シェル内側の仕上げが少し雑ですが、外側はピカピカです。
オリジナルのフレキシブル基板をそのまま使ったので、コンデンサーとかをシェルの壁につけられないのがちょっと残念です。
さて、UEロゴの新旧比較です。微妙な違いですが、私としては右の古いロゴの方が見慣れていて、UE11Proを中古で入手したときには「なんかロゴが変?」と思ったものでした。
左のUE11Proに比べると、だいぶ仕上げが上手くなったものです。透明感がだいぶ違いますね。
左右はほぼ揃いました。今回は試行錯誤が少なかったので、チューブも左右の状態が揃っているのでしょう。
青が元の状態です。低音がよく出るようになったのはチューブの影響か、あるいは密閉度が高くなったからでしょうか。3kHz過ぎに少しピークがありますが、まあこのくらいならあまり気にならないでしょう。
UE11Proと比べると高音がかなり違います。何となく、音響フィルターのグリーンをホワイトにすれば似た感じ近づきそうな気もしますが、オリジナルのままにします。
実際に音楽を聴いてみた感じでは、やっぱりイヤーピースがなく、耳にフィットしているため、低音も良く聞こえますし、高音も綺麗に聞こえます。UE11Proに比べると高音の抜けが悪い感じですが、やっぱり低音がモリモリ出て、高音も綺麗で、迫力もあり、なおかつ自然な感じのTF10Proらしい感じです。
どうせリシェルするならCIを追加して音響フィルターやネットワークも変えればほぼUE11Proと同じにできるとも考えたのですが、UE11Proは持っていますし、似たものも作りましたので、TF10Proオリジナルらしさを残すことにしました。これで正解だったと思います。
あとは高価なケーブルのコネクタをMMCXに交換したいところですが、コネクタ部品の手持ちがないので、今度買ってきてから。。