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プログラミングでメシが食えるか!?

ついでにサービスでやってあげたことがトラブルにつながる場合も・・・

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良かれと思ってサービスで(無料で)ついでにやってあげた結果、それが火種になることもある、という話をしましょう。

自社の製品やサービスをお客さんが採用してくれることになり、せっかくなので、ついでにプラスアルファで何らかの作業をしてあげたくなることは、よくあるかもしれません。例えば、「情報セキュリティ製品を採用してもらったので、ついでにPCの管理や設定もきちんとして、より安全性を高めたり、管理しやすくしてあげたりする」というような感じで、本来は別に作業費を見積もってもよいくらいの作業をサービスでやってあげる、というような感じです。

やってあげる側としては、「お客さんのためになるから」と、良かれと思ってやってあげるのですが・・・

その結果として、肝心の製品のところに関してではなく、追加でやってあげた部分に関してクレームが来る、ということが、実は結構多い気がします。

クレームの内容としては、「追加でやってくれた部分が良くわからない」「その作業の影響で仕事に支障が出ている」「追加の部分を説明してくれ」などという感じでしょう。

この問題は、お客さんとの間で意識のレベルに差があるために起きます。

やってあげた側としては、「ついでにサービスでやってあげた」「後は自分たちで何とかしてくれるだろう」と考えるのですが、お客さんとしては「サービスとはいえ、あくまでも発注した中に含まれる作業」「最後まで責任を持ってもらえるはず」と考えるのです。

製品やサービスそのものに関しては、商談の間から、内容や金額に関して議論を重ねますので、お互いの意識に差はできにくいのですが、サービスでやってあげる分は、「無償だから」という意識で、やってあげる側は確認を疎かにしがちですし、やってもらう側も同じように頭に残りにくいのです。その結果、「話が違う!」となってしまうのです。

とくに、その分野に関してあまり詳しくないお客さんの場合には注意が必要です。「普通はこうしておくべきでしょう」という「普通」がわかっていないので、「これくらいはやって当たり前」という意識がそもそもないことが多いのです。わかりやすく極端な例でいうと、「PCにログインせずに仕事をさせるなどありえない」と思っていても、お客さんはそれまで「電源を入れたら自動で作業ができる状態で使ってきたので、それが当たり前」と思っているかもしれません。それを、セキュリティ上ログインするのは当然、と、「サービスで」設定変更してあげたりすると、「社員が皆作業ができなくなったと騒いでいる!」となってしまうのです。

私は自分でも以前からこういう経験を何度もしてきましたので、基本的に、お客さんに対して見積範囲外のプラスアルファのサービスはしてあげないようにしています。冷たいと言われるかもしれませんが、お互いのためだと思っています。逆に、パートナーさんなど、同業者には、プラスアルファのサービスは効果的なことも多いと思っています。「お客さんには冷たく、パートナーさんには優しく」という感じかもしれません。

仲の良いお客さんなら大丈夫では?と思うかもしれませんが、サービスしてあげることが原因で、喧嘩状態に陥ってしまうことも結構あるので、十分注意した方が良いと私は考えています。


実は普段の社内での仕事でも同じ感じかもしれません。先輩から仕事を頼まれ、「ついでに**もやっておきましたよ」とプラスアルファをプレゼントしたつもりが、その部分で実は思い違いがあり、先輩から「できていると思って組み込んでみたら、そこでとんでもない問題があって、ひどい目にあったよ」と言われるかもしれません。

「仕事」と「手伝い」「ついでに」はやっぱり意識レベルに差があるものだと考えるべきでしょう。良かれと思ってやったことがトラブルの元にならぬよう、中途半端な気持ちで手を出さないことも、実はお互いのためだったりするものです。

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