新聞広告記事掲載&受託待ちではジリ貧に
日本情報産業新聞の2013年1月1日号の16面に当社の広告記事が掲載されています。
インタービュー記事と、ProDHCPの広告を載せてもらいました。
すぐ上に、「受託待ちではジリ貧に」という記事があります。ちょうど私がインタビューを受けた際に話した内容が「受託中心から独自開発製品を揃えたアピール形への転換で業績好調」という感じでしたので、それにバランスが良い記事を近くにしていただいたのだと思います。
※記事にも書いてありますが、受託が全て下請けで駄目というわけではありません。受託でもユーザに近い立場で共に新しいモノを生み出すような仕事もありますし、他ではできないようなノウハウを活かす仕事もあります。
===下請け仕事から製品を中心としたアピール形へ===
IT業界は「多段下請け構造」での仕事がとても多く、当社も長いこと「孫請け」「下請け」の仕事も続けてきました。下請け仕事は悪いことばかりではなく、
1)自社だけでは受けられないような規模の仕事の経験ができる
2)回収は基本的に安心
3)エンドユーザとの調整は元請けが行ってくれるので開発に専念すればよいことが多い
4)下請け同士の横のつながりもできる
個人的には、1)は大きなメリットだと感じてきましたが、経営的には2)もポイントでしょう。特に請負契約ではなく委任契約であれば成果物に対する責任も少なく、さらに月割りでの精算となることも多いので、経営的には楽です。
しかし、下請け仕事のデメリットもまたかなりあります。
1)エンドユーザと直接会話がしにくい:ユーザの生の声が聞こえにくい
2)成果物の権利は基本的に全て渡すことになる
3)どこでもできる仕事の場合は価格勝負
4)元請けの仕事量が減ると下請けに出てこなくなる
5)成果のアピールはほぼできない
6)人が動いた分だけしか利益につながらない
7)部分的な仕事になりやすい
技術者であれば、自分が手がけた仕事の自慢をしたいものですが、下請けの立場では機密保持契約などにより一切口外できませんので、どうしても「やらされ仕事」という感じになります。経営的にも、人が動いた分だけ利益につながるとは言え、それ以上はないので、仕事の切れ目がお金の切れ目に直結し、元請けに振り回される経営になります。さらに、業界全体で仕事量が減ったり、あるいはオフショアなどの安い出し先が増えれば、単価のたたき合いになり、儲からなくなります。基本的に「受け身の仕事」なのです。
私は当社の受託開発事業が全盛期の頃に、一人で自社製品開発を始め、まずは技術アピール用にとホームページに掲載したりしていました。著書にもプログラマーの楽しさを書き、徐々に製品開発事業をやってみたいようなメンバーを集め、受託開発事業で何とかプラスにできている間に、本格的に製品開発事業を立ち上げました。受託開発と異なり、やれば利益に直結するものではないので、3年くらいは受託で稼ぎながら製品の実績作りの期間が続きましたが、徐々に販売店さんも増え、製品自体が稼ぐようになり、製品をきっかけに開発の相談をいただくケースも増えてきました。
さらに、当社には会長が独創的な発想で作り上げたゴルフ練習場向け製品もあり、こちらにもIT関連メンバーの力を注ぐことで、システムとしての提案力が強化され、昨年は大型案件成功させてきました。
これら新しい取り組みと、従来からの発展系の仕事が合わさって、昨年の好調な業績が実現できたわけです。元請けから仕事の声がかかるのを待っていたり、「なにかありませんか?」と御用聞きをしていた過去の状態ではこの業績は実現できるわけもありませんし、そもそも受託開発自体が以前ほど稼ぎやすくはなくなっているので、現状維持すら苦労していたことでしょう。
===成果は会社のものだけではない===
私がもう一つ心がけているのが、メンバー一人一人を表に出すことです。もちろん、裏方の方が好きなメンバーもいますので、無理強いするわけではありません。せっかく自分が苦労して作り上げた製品なのですから、「会社の製品」は当然として「私の製品」として、自慢させたいのです。それがやり甲斐につながりますし、責任感のアップにもつながるからです。私自身、入社した頃に手がけていたCADシステムで、基本的に二人で開発しているのに「10人で開発していると言うように」と指示されたときには、自分たちのがんばりが1/5に薄められた気分で、とてもがっかりしたものです。良くも悪くも小さな会社なわけですから、変に見栄を張るより、素のままの、メンバー一人一人の良さを見てもらう方がお客さんにも伝わると信じていますし、実際それが結果につながっています。
===楽しくやり甲斐のある仕事を!===
会社で考えると、決算期、4月〜3月の年度区切りなどがメインで、年号が変わってもあまり区切りという感じはないのですが、「これからなにを成し遂げるか」「さらに盛り上げるぞ」と考える節目は多いほど良いものです。今年もユニークなメンバー達と楽しくやり甲斐のある仕事をしていきたいと、今日の仕事始めで考えているところです。