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社内コミュニティポリシーと床屋症候群

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 ITmediaのTechTargetに「SharePointガバナンスドキュメントの必要性」という記事が出ている。記事全体はSharePointの構築・運用ルールに関してのものだが、前半に組織内のディスカッションエリアの運用における失敗例が例示してあり、そこの部分はSharePointだけでなくイントラブログや社内SNSなどでも共通的に使える話しだ。

 組織内にディスカッションやコミュニティのような交流を目的とした場を設けるときには、このように最低限のルールだけは決めておいたほうがよい。但し逆に言うなら最低限以上のルールを事細かく決めるのは良くない。最低限のルールとは、公序良俗に反しないこととか誹謗中傷禁止とか性や信条、宗教に関する話題には注意することといった常識的な注意とそれに反した書き込みがあった時に運営がどう行動するかのルールである。勝手に削除するのか、就業規則などのルールに則って処罰されるのかなどは明記しておくべきだ。

 こうした社内コミュニティポリシーは目立つ場所にしかしさりげなく記載しておくべきだ。必要以上に徹底したり大げさにすると社内のコミュニティに冷や水を浴びせることになり不活性化のきっかけになる。良く議論されるコミュニティでの話題を業務内に限定するのか業務外もOKにするのかという事についてもあまり大げさに規定して明文化しないほうが良いことが多い。

 組織にコミュニティを育成する目的は、同じ組織に属する者同士もっとお互いを知るとかそうした何気ない会話から気づきを得ようとすることだ。そうした気楽なコミュニケーションの為には細かいルールや押しつけは阻害要因にしかならない。気づきを誘発するためには本来の仕事の話だけではなくその周辺の情報へのアクセスが欠かせない。決められた一つのことだけをしゃにむにやっていただけでは新しい発想は生まれない。その為には、周辺分野の遊びも必要で、組織の中のコミュニティというのはそういう遊びを持たせるようにしなければダメだ。
 例えばコールセンターでは私語は業務外と区別されるだろう。しかし仕事の合間に「最近くどくど長々と話すAさんがいて」というような愚痴をこぼしてそれを聞きつけた同僚とAさんの素行について情報交換が行われ対策が取られると言ったケースもある。きっかけとなったそれは業務外の私語扱いで良いのだろうか。
 そもそも仕事に関係のあるノウハウを出せと言われても何が仕事に関係あるかなんて判らない。だって業務と業務外ですら曖昧なのだから、そしてコミュニティが活性化した中でぽろっと出たことこそが役に立つ情報や気づきにつながることは多い。だから組織内でコミュニティを作るときはそういうぽろりが出やすくするように工夫することが大事である。

 あと、ぽろりと言えばインターネットでの失言や暴露話が企業に痛手を与える事件も時々起きる。インターネットのコミュニティは匿名性からかついついぽろりをし易い雰囲気がある。えてしてこの雰囲気に流されて「床屋症候群」(ロバの耳症候群)とでもいうような人が現れてしまう。
 最近の企業のリスク管理部門はこのリスク対策に頭を悩ませている。最近社内に意見交換をし易い雰囲気のコミュニティを設けることで、こうしたロバの耳症候群の発症前保菌者を社内コミュニティにつなぎ止め早期に発見し隔離や対策を行うというアイデアが出てきて試され始めているのは注目だ。

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