米ガートナーのハイプ曲線でWeb2.0と仮想世界がどん底近くにプロット
米ガートナーグループから毎年公表している「新規テクノロジのハイプ・サイクル」の2008年版のプレスが出たようだ。プレスリリースにはハイプ曲線の図が含まれていなかったが、こちらのサイトには画像があったので以下にリンクを画像の貼ってみた。あと、CNETには速報記事も載っている(※)
昨年の同じハイプ曲線には36個の技術があったが今年は27個に減少。半数以上が入れ替わっているが、私から見て今年のハイプ曲線で注目すべきポイントをいくつか挙げてみる。
まず最初はPublic Virtual Worlds(仮想世界:昨年はVirtual Environment/Virtual Worldsと表記)が昨年の過剰な期待のピークポジションから一気に幻滅期のどん底近くまで落下したこと。まあセカンドライフの失速はしばらく前に多くの人が指摘していたのでこのポジション自体には納得するし、今年の後半から来年にかけて新世代の仮想世界が立ち上がってくるはずなのでじきにポジションは盛り返すだろう。ガートナーでは本格展開の時期を2~5年先としているけど、もうちょっと早めに回復すると予想する。それにしても他のテクノロジに比べて仮想世界のハイプ上での動きは凄く早い。
その仮想世界と同じポジションにWeb2.0もプロットされている。Web2.0を仮想世界と同じ扱いというのはちょっと失礼ではないかとも思ったが、キーワード的な旬という面ではそんなものかもしれない。もっともWeb2.0については、そこからの派生技術や関連技術であるSOAだとかSocial Network AnalysisやSocial Computing Platforms等のキーワードがいくつもハイプ曲線に入っているし、そのいくつかは安定した成熟期を迎えつつある。仮想世界よりは確実にゴールへ向かって進んでいる。このあたりはガートナーもわかっているようでプレスリリースの本文のほうで、Web 2.0技術は向こう2年以内に企業に大きな変化を誘発するような影響をもたらすとしている。
他にはTwitterのヒットによってMicroblogging(ミニブログ)が今年からハイプ曲線に新登場、順調に認知度を上げて山を登っている。先進企業では、ソーシャルメディアとしてのミニブログやチャネルとしての活用を検討し始めているともある。ミニブログのピークは今年の後半くらいになるのだろうか。同じようにCloud Computingもハイプ曲線に初登場して山を登り始めた。こちらはミニブログよりはもうちょっと後にピークが来る気配。
後は私の専門分野でいうと、先ほどのWeb2.0の関連になるがWikisとCorporate Bloggingが無事に幻滅期を乗り越えて安定期に突入しそうだが、セマンティックウェブは昨年どん底で今年はついに消えてしまったこと、Augmented RealityとContext Delivery Architectureが左端に登場したことなどをチェックした。
しかしここの27個の技術のうちいくつかは私も詳細をまったく把握していないだった。特にWikisとCorporate Bloggingと同じくらいのポジションにいるIdea Managementについては昨年からの継続にも関わらずノーマークだった。情報収集を怠らないようにと深く反省した次第。
※たぶん秋頃にガートナー・ジャパンからこのレポートの邦訳版がでると思われます。