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ブログを書き手の名前の公開面で分類してみる

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 ひとつ前のエントリーで“実名ブログ界”といきなりひとくくりにしてオルタナティブ・ブログとイザ!(iZa)記者ブログを取り扱ったが、そもそもブログを書き手のポジションで分類する場合に匿名と実名の2種類の分類では足りないような気がしてもう少し深く考えてみた。とりあえず考えついたのはインターネットにおけるブログをもう少し分類して以下の4つくらいにまで分けてみるというもの。
 
1.匿名ブログ
 ブロガーの本名を公開してないもの。しかし本名を公開しないまでもペンネームやハンドル名などを継続的に使い、さながらそれが本名と同じ役割を果たすまでになっているブログなどもあり、こうなると次の本名ブログとほとんど差はない。

2.本名ブログ
 一応本名を公開しているブログ。しかしながらその公開された名前が偽名でないことを読者に保証できないものも多く、これらは匿名ブログにより近い。匿名ブログの場合でも一部の読者にはオフ会などで本名を明かしているケースもあるはずで、やはり1との差はあまり無いような気がするが、一般に本名を公開しているかどうかが議論になることが多いので1と2を分けた。
 
3.実名ブログ
 本名ブログのうちさらに写真や年齢などの個人プロフィールや勤務先といった所属組織などの書き手のバックグランドとなる情報までを公開しているブログ。加えていうとオルタナティブ・ブログやiza!記者ブログでは運営者側がそれらの公開情報が偽造でないことを保証する役割もはたしている。
 書き手の背景が分かるだけ記述内容に信頼性が持てると言われているがそれはあくまで読み手側への参考情報に過ぎず、この場合でもブログに書いてある内容はあくまで個人の意見である。次の公式ブログとはここが異なる。また匿名ブログや本名ブログとして始めたブログでも、長く継続していると本文中に個人情報が漏れ出し長期的には実名ブログに近いものになってしまうことも多そうだ。
 
4.公式ブログ
 ブログは組織を代表するものとされ、書かれた内容が個人や組織の公の発信情報と位置付けられるもの。企業ブログや広報ブログがこれにあたる。企業ブログや広報ブログの場合、あくまで法人格を前面に出して実際に原稿を書いている個人名は出さないケースもあるが法人格が実名であるのでこの分類にあわせて良いと考えた。ちなみに米国ではフォーチューン500のうち30社ほどがこういったコーポレートブログを持つそうだが、日本にはどれくらいあるのだろうか。
 有名なスポーツ選手や会社社長などの組織の代表権を持った人などの場合は、多分3の実名ブログを書いていても扱いはこの公式ブログとイコールになるようにもに思う。

 さて、ざっと思いつきで分類を考えみたもののこの分類をどう使うかまでは、実はまだちょっと考えついていない(^^;)上の説明にもあるがこの分類だと境界はかなり曖昧なものになるし、もし他の視点やこの分類をより掘り下げるアイデアがあれば是非教えていただきたい。

 もともと「実名ブログ界」の分析を始めた理由は、イントラブログや企業内SNSでブログや日記を書く場合、執筆者である社員側のポジションは通常この3の実名ブログに近いものになると考えているからである(もっとも社員が数千人もいるような大企業だと本名と所属が公開されてもバックグランドが把握できないので2に近い環境になることも予想されるが・・・)オルタナティブ・ブログとイザ!(iZa)記者ブログにはこの実名ブログとしてのまとまった書き手が揃っているので、継続率だとか投稿数のデータが採りやすく、企業向けナレッジマネジメントの分野ではこれをイントラブログの際のベンチマークに使えるのではないかとは考えている。

(注)念のため書き添えておくが、この分類とブログに書いてある内容の信頼性の相関関係についてはここでは議論の対象外としたい。あくまで書き手側が情報発信者として読み手側にどう認識されているかという環境面を視点とした分類と分析である。

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