年収500万円、ある外資系部長の憂鬱
»
さらなる年収アップを目指し転職するか?
今の会社に留まってもその恩恵を受けられるのではないか?
キャリアの岐路に立つビジネスパーソンにとっては、悩ましい問題です。特に、今のような景気回復局面で将来が明るくなると期待していると、どちらの選択肢もますます魅力的に見えてしまい、決断できないのではないでしょうか?今日は、そんなキャリアのターニングポイントで様子見戦略を取り、自身のブランドを傷つけてしまうことになったAさんのお話をしたいと思います。
Aさんは30代後半で部長に抜擢されました。外資系の部長というと、さぞかし高給なのだろうと思われそうですが、一部金融などの業界を除いて、日本企業に比べてものすごく高給ということは、もはやありません。むしろAさんの所属企業に関していうと、日本企業に比べても低いほうなのです。
その理由の一つに、昇格してもこれまでの契約年収がそのまま適用されるという暗黙のルールの存在が考えられます(注1)。このルールの背景には、業績低迷期に日本法人の業績を株主や本社によく見せるための人件費の圧縮が目的だったのかもしれません。いずれにしても、部長に昇格したことで、彼自身の実績ではなく、チームの成績で査定されることになり、年収はそのままで責任範囲だけが広がってしまったことになります。
では、業績を上げてやると奮闘したものの、そんなに簡単ではありません。すでに彼が担当だったころから、チームの業績は、右肩下がりになっており、部長になった年度に関しては、業績に応じた成果給はほぼゼロに均しく、年収で換算すると500万円程度になってしまいました。この金額、自分のチームメンバーの誰よりも低いのです。
部長として1年が経過し、景気回復の期待がメディアを賑わすようになってきたこともあり、このまま会社にとどまり上位マネージメントの経験を積むため歯を食いしばって上を目指すか、転職で条件のよいマネージャー職を探すか悩み始めます。ただ、チームの業績はぱっとせず、転職するにもアピールできる実績を上げていないことや、外部から事業部門長が新たにやってきたこともあり、少し様子を見ることにしました。
この判断が、裏目に出ます。完全に考え方の異なる新しい事業部門長の方針に違和感を感じながらも、彼とはうまくやっていると思っていたある日、チームの業績が一向に良くならないことを理由に、担当への降格を命じられてしまいます。
今、Aさんは、転職活動をしていますが、面接で必ず部長在職期間の短さを質問されます。そのたびに、説明に苦慮しながら質問に受け答えしているそうです。そして、転職を考え始めた時に、外部環境から楽観的に考えるないで、業界の求人トレンドや新事業部門長のクセなど、様々なルートを通じて事前に情報収集しておくべきだと後悔しているのです。
注1:この給与システムですが、Aさんの所属企業に留まらず、良く耳にするようになりました
今の会社に留まってもその恩恵を受けられるのではないか?
キャリアの岐路に立つビジネスパーソンにとっては、悩ましい問題です。特に、今のような景気回復局面で将来が明るくなると期待していると、どちらの選択肢もますます魅力的に見えてしまい、決断できないのではないでしょうか?今日は、そんなキャリアのターニングポイントで様子見戦略を取り、自身のブランドを傷つけてしまうことになったAさんのお話をしたいと思います。
Aさんは30代後半で部長に抜擢されました。外資系の部長というと、さぞかし高給なのだろうと思われそうですが、一部金融などの業界を除いて、日本企業に比べてものすごく高給ということは、もはやありません。むしろAさんの所属企業に関していうと、日本企業に比べても低いほうなのです。
その理由の一つに、昇格してもこれまでの契約年収がそのまま適用されるという暗黙のルールの存在が考えられます(注1)。このルールの背景には、業績低迷期に日本法人の業績を株主や本社によく見せるための人件費の圧縮が目的だったのかもしれません。いずれにしても、部長に昇格したことで、彼自身の実績ではなく、チームの成績で査定されることになり、年収はそのままで責任範囲だけが広がってしまったことになります。
では、業績を上げてやると奮闘したものの、そんなに簡単ではありません。すでに彼が担当だったころから、チームの業績は、右肩下がりになっており、部長になった年度に関しては、業績に応じた成果給はほぼゼロに均しく、年収で換算すると500万円程度になってしまいました。この金額、自分のチームメンバーの誰よりも低いのです。
部長として1年が経過し、景気回復の期待がメディアを賑わすようになってきたこともあり、このまま会社にとどまり上位マネージメントの経験を積むため歯を食いしばって上を目指すか、転職で条件のよいマネージャー職を探すか悩み始めます。ただ、チームの業績はぱっとせず、転職するにもアピールできる実績を上げていないことや、外部から事業部門長が新たにやってきたこともあり、少し様子を見ることにしました。
この判断が、裏目に出ます。完全に考え方の異なる新しい事業部門長の方針に違和感を感じながらも、彼とはうまくやっていると思っていたある日、チームの業績が一向に良くならないことを理由に、担当への降格を命じられてしまいます。
今、Aさんは、転職活動をしていますが、面接で必ず部長在職期間の短さを質問されます。そのたびに、説明に苦慮しながら質問に受け答えしているそうです。そして、転職を考え始めた時に、外部環境から楽観的に考えるないで、業界の求人トレンドや新事業部門長のクセなど、様々なルートを通じて事前に情報収集しておくべきだと後悔しているのです。
注1:この給与システムですが、Aさんの所属企業に留まらず、良く耳にするようになりました
SpecialPR