「Kindle Fire HDな男性」ってどんな人? -データから見るペルソナ図鑑(31)-
日本でもメインストリームに躍り出ようとしているタブレット。タブレットパソコンというカテゴリーは比較的古くから存在していました。もともとペンコンピューティングを実現するためのフォームファクターとして開発が続き、2005年くらいに「WINDOWS XP Tablet PC Edition」がマイクロソフトから発表されたりしていましたが、あまり売れることはありませんでした。
2010年に彗星のごとく登場したiPadによって、タブレットはICTの表舞台に浮上してきます。なぜならば、iPhoneによって定着したマルチタッチUIを使ったことで、それまでパソコンで行われていた大半のことが、iPadによって置き換えられてしまうことにユーザーが気づいてしまったのです。iPadの登場以降、GoogleのAndroid搭載機種、Windows8搭載機種が続々と登場し、市場を活気づかせています。
そして、もう一つの流れとして注目したいのが、もともとサービス主導で始まった電子書籍端末がAndroidと合体し、この新しいタブレット市場に流れ込んで来たということでしょう。その代表格がAmazonのKindle Fireシリーズです。Amazonのサービスがオンラインショッピングにとどまらず、電子書籍、デジタル音楽、デジタル映像などのデジタルコンテンツの配信へと拡大する流れの中で、サービスと一体化したタブレットとして提供され始めています。
タブレット市場を取り上げ、「iPadな男性」「Nexus 7男子」とみてきた今回のシリーズ。第3弾は「Kindle Fire HD」を使っている男性にスポットライトを当ててみたいと思います。
【Kindle Fire HDのユーザーポジション】
さて、今回もシングルソース消費者パネル「ぺるそね」のデータからKindle Fire HDのユーザーを見ていきましょう。ぺるそねの全回答者30,473人中、タブレットを使っている人は4,969人で、全体の16.3%に当たります。前回にも申し上げましたが、タブレット市場はどちらかというと男性優位のマーケットで、Kindle Fire HDはぺるそねでのランキングは第8位、3.9%のシェアとなります。
男女比、平均年齢の軸でポジショニングすると、Kindle Fire HDユーザーはiPad miniのWi-Fiモデルのユーザーと隣接し、やや若く、やや男性が多いポジションに位置します。男女あわせて192名。男性は118名となります。この118名を「Kindle Fire HDな男性」として見ていきたいと思います。(118サンプルと少々サンプル数が少ないので、乱暴な分析となってしまうかもしれませんが、あくまでもご参考としてお話しさせてください。)
【Kindle Fire HDな男性は、お酒とスポーツが趣味】
Kindle Fire HDな男性と男性全体を比較してみると、年齢層は40〜44歳の比率が特徴的で、平均世帯年収もやや高い人たちです。最終学歴では大学院卒が全体と比較し1.8倍の対比倍率となっており、高学歴な人達が多くなっています。
趣味はショッピング、ゲーム、お酒、グルメ、スポーツなどが男性全体と比較し1.5〜1.9倍の対比倍率となっています。お酒に関しては飲酒状況、商品関心度ともに高く、ウィスキー、ブランデー、カクテルなど、洋酒系が好みのようで、多分背景にあるウンチクもしっかり抑えている情報通かも知れません。
スポーツもジョギング・マラソン、筋トレ・ストレッチ、水泳などが全体との対比倍率が1.7〜2.2倍となっています。どちらかというと、本格的に身体を鍛えるスポーツに走っているという側面が見えてきます。
興味・関心事は、留学・海外生活、語学、資格などの項目で、全体と比較し2.8〜3.2倍の対比倍率となっています。また、よく見るテレビ番組のジャンルでは海外ドラマの対比倍率が1.8倍となっており、国際派である一面が垣間見えてきます。
【チャレンジ精神が旺盛な国際派ビジネスマン】
消費傾向は「売れ筋ランキングを参考にして買い物をすること」が多く、「新商品の情報はマメにチェックしている」人達です。思われたいセルフイメージは「チャレンジ精神のある」「ユニーク」の他に「ワクワクさせる」「先進的」といったイメージが上がっており、他の人とは違う存在を目指しているように見えます。
所有しているものなどからも海外を感じさせるものが多くなっています。好きなブランドはNIKEです。服からバッグ、靴まで、NIKEが好きです。腕時計はオメガ/スピードマスター。スマートフォンはiPhoneが多いですが、少数ながらBlackBerryの出現率が全体と比較し8.0倍となっていたり、パソコンはThinkPadやdynabookが3〜5倍の対比倍率で出現してきます。
当然ながらAmazonでよく買い物をしており、前述の趣味のショッピングはオンラインショッピングが中心かも知れません。新聞は日経を、しかも電子版で読んでいます。また、インターナショナルヘラルドトリビューンやジャパンタイムスなどの英字新聞もよく読んでいるのが印象的です。ちなみに好きな女性タレントは深田恭子、堀北真希、柴咲コウ、武井咲が全体との対比倍率1.6〜2.2倍で出現してきています。
いつものようにペルソナイラストを掲載しますのでご参照下さい。
「Kindle Fire HDな男性」。ここまでくると大体イメージが出来上がってきますね。グローバル志向が強いビジネスマンで、MBAを取得しているかそれを目指している人達が多く含まれています。アメリカのエグゼクティブのように、スポーツを自分のライフスタイルとして取り入れているような人が多く、多分、海外勤務の経験も多いのかも知れません。おおまかに言って4人に1人近くの現居住地が東京都で、対比倍率は1.5倍になっています。趣味がサイクリングの人も多く、自転車用のヘルメットをかぶり、颯爽と都心を駆け抜けていくようなイメージでイラスト化してみました。
さてここまでタブレットの男性ユーザーを見て参りましたがいかがでしたでしょうか?次回は「iPad miniな男性」「Nexus 7男子」「Kindle Fire HDな男性」の3つのセグメントを比較してみたいと思います。どうぞお楽しみに...
あわせてこちらもご覧下さい。
「iPad miniな男性を調べてみた」
「Nexus 7男子について」
*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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