iPhoneから学ばないのはもったいない! ~華麗なるブランディング戦略と魅惑の端末~
こんにちは! 走る社長、貫洞(かんどう)です。最近は、毎日7キロ走っています。
昨日は、待ちに待ったiPhone5S、5Cの発売初日でした。私も店頭販売員として、その一部始終を体感してきました。(補足:弊社は携帯ショップ向けの販売員の仕事をしており、私も週に2日は携帯ショップの店頭に立っております)
準備のために朝の6時半にショップに出勤した際、既に数人の方が並んでおられました。その後も列は伸び続け、オープン時間には30人程度の行列ができていました。並んでから実際に手に入れるまで、5時間以上かかった方もいらっしゃったと思います。それでも、発売初日にiPhoneを受け取って帰るお客様はとても嬉しそうでした。
さて、なぜiPhoneだけがこんなに注目され、そして売れるのでしょうか? 今まで「魅力的な端末だから」と簡単に考えていましたが、今回は少し掘り下げて考えてみました。初日に並んで買って下さったお客様の属性は、大きく以下の3つです。
1.Appleが好きだから初日に買いたい
2.人気のある端末だから買い換えて使ってみたい
3.使いやすいと評判だからiPhoneにしたい
1の方は明確でブレがありません。Appleストアに並んでいた方もこれでしょう。「Appleの大ファン」という方です。
2の方は、それこそ行列が行列を呼んだ良い例です。人気の理由を自分で確かめてみたい、という探究心の強い方も多いです。
3の方は、周りのiPhoneユーザーからの評判を聞いて自分も欲しい、と思った方です。
繰り返しますが、どのタイプのユーザーも、とても嬉しそうだったのが印象的でした。(キャリアや店舗によってオペレーション上のトラブルも発生しているようですが、あくまでこれは私の受けた印象です)
そして私自身、一日の半分以上iPhoneに触れていて感じたのですが「初めて触る端末なのに、なんだか懐かしい感じ」です。(これは震えるほどすごい事だと感じます)
どこに何があるかが何となくわかる安心感、色々なことができそうなワクワク感、パッケージまでを含めたスタイリッシュさ、それらが怒涛のように押し寄せてくる、そんな端末でした。iPhoneを一言で言うと、「裾野の広い魅力的な製品!」です。
さて、Appleが緻密なブランディング戦略を実行していることは超有名です。
・直観的な操作が可能な製品をつくる
・製品に一貫性を持たせ、リピーターをつくる
・「Apple製品はカッコイイ!」というブランディング戦略
この他にもたくさんの戦略をきっちりこなしてきたことで今のAppleがあり、iPhone5S、5Cがあるのだと考えられます。国内メーカーの衰退を憂う声も上がっていますが、直営店でのアフターフォローという形がユーザーの満足度を高めたのは否めないですし、端末としての魅力の追及も他の追随を許さない勢いがあります。
携帯ショップで接客をさせて頂くことは、本当に勉強になります。サービス業としての立ち振る舞いも学べ、最新の機器や情報に触れる事ができ、現場を通じてブランディング戦略の浸透を肌で感じることができます。
最後に、このiPhone騒動の中から私が学んだのは、優れたブランディング戦略は息の長い製品をつくるということです。製品の価値は製品そのものだけではなく、人の心に基づいているのだと感じました。(※製品が優れているのは絶対条件です)このiPhoneから学ばないのはもったいない! と心から思いました。
私たちの仕事の中でも、ブランディングを意識するだけで、商品の見せ方も売り方も変わってくるのではないでしょうか? iPhoneをこれから作ることはできなくても、既存のサービスに風穴をあけられるような何かが生まれるかもしれません。頭をしっかりと働かせて、世の中で起こっている事やブームになっていることを見つめていきたいですね。