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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

きつくない、汚くない、危険なし~

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事業を急拡大している時代は、コンクリート製品製造業がメインでした。
工場内でコンクリート製品を製造するということです。

イメージからしても、「きつくない、汚くない、危険なし」のいわゆる「3K」丸出しの仕事です!
ちなみに、仕事がゼロの時は「金欠」が加わって「4K」でした。(笑)

工場内と言っても大きな出入口は開けっ放しですので、風通しは最高です。
コンクリートを固めるために蒸気を使いますので、冷暖房完備のようなものです!

夏は蒸気で暖房され、冬は風がビュンビュン通って凍りつくような寒さになりますので、ちょっと狂った大型エアコンがフル回転しているような快適な状態なのです。

鉄の塊のような型枠に、何キロもある大型のインパクトレンチで「ガガガガガ・・・!」と太いボルトを何十本も締めるのは適度な運動になります。

手で持てる製品ではありませんので、重い物を持つと言っても、せいぜい50キロくらいのものです。
下手すると腰を弱しますが、気合いを入れれば何てことありません!

「棒振」と言って、太い棒が激しく振動してコンクリートの気泡を浮き出させる道具があります。
強烈な振動ですので、初めて持ったら10秒も持てませんし、手のしびれがしばらく残ります。

でも、それに耐えて何回もやっていると慣れてきて、心地よいマッサージでやみつきになります。

休憩時間以外は立ちっぱなしで、かなりの距離を歩いたり走ったりしますので、足腰の鍛錬になりダイエットにもなります。

こんな感じで、全然きつくないのです!

作業服がコンクリート製品に触れたら、その部分が白くなっておしゃれになります。
型枠に触れたら油や汚れた水、サビなども付きますので、すぐにいろんな色をつけることができます。

風が吹いたら砂ぼこりが舞い上がり、西部劇の決闘シーンに浸ることもできます。

製品の仕上げ工程では、セメントをコンクリート製品一面に塗ります。
少し塗るだけでセメントの微粒子がわっと広がり、それが容赦なく全身に降りかかります。

少しでも風が吹くと粉をかぶるのは避けようがありません。
30分もやっていると、日焼けして真っ黒な顔がうっすらと白くなっています。

なんと、仕事しながら化粧ができるのです!

しかも、その化粧は顔だけではありません。
鼻毛まで白くなっているのです!(笑)

目に見える顔だけ化粧すればいいというわけではなく、見えない鼻毛まで化粧するのが化粧の真髄ではないでしょうか?

それが仕事しながら無料でできてしまうので、最高にきれいになるのです!

型枠の高さは高くても3mくらいですので、万が一、落ちても骨折程度で死ぬことはありません。

刃物も扱いますが、手を切っても指を切り落とすことはありませんので、手袋を替えて作業は続けます。

サンダー(グラインダー)で手とかを切ると、さすがに病院行きになりますが、その間は仕事を休めますし、労災保険も下りますので、全然痛くありません!

型枠で手を挟んだら目から星がいくつも飛び出しますが、昼間っから星空を見られるのは、また貴重な体験です。

溶接の光を直接見ると、「目を焼いた」状態になります。
強烈な紫外線を連続で浴びると角膜の表面がただれてしまい、ひどい時は景色が歪んで見えてしまいます。

目を焼いた日の夜には、必ず激痛で目が覚めます。
それはもう強烈な痛みで、おそらく砂場に顔を突っ込んで何度も瞬きするのと同じだと思います。

それがしばらく続き、ひたすら耐えるしかありませんので、痛みに耐えられる力がつきます。

いずれも命にかかわるような大したことではなく、時間が立てば過去の出来事ですので、全然危険じゃないのです!

一部だけ書きましたが、「きつくない、汚くない、危険なし」の「3K」の快適な仕事なのです。

良いことばかりを書きましたが、世の中、良いことばかりじゃなく、辛いことや大変なこともたくさんありますので、あくまでも参考程度にしてくださいね!

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