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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

なぜバラして積み込むのか?

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その仕事を見て最初に思ったのは「なぜ、こんなに多くの手間をかけるのだろう?」ということです。

パレットに商品の箱が積まれていますので、積み込み時には、リフトマンがトラックまで運んできてくれます。

そして、手作業でトラックに積み込んでいきます。

工場に着くと、リフトマンがパレットを運んでくれますので、指定された通りに並び替えて積んでいきます。

これで一通りなのですが、パレットにきれいに積んである状態をバラバラにして、またパレットにきれいに積み直さなければならないのです。

商品は大型トラックに満載ですので、かなり大変な作業になります。

商品の箱の形状によって違うのですが、積み卸しで2時間以上はかかるのです。

それが毎日、毎週、毎月、毎年続くのですから、積み卸しで相当な時間がかかっていることになります。

そこで、単純な疑問として、「パレットのまま積んで、そのまま卸せばいいのではないか?」と思ったのです。

そうすると、毎日、積み卸ししている手間がなくなりますし、時間も一気に短縮できます。

メーカーからは、一日に何十台ものトラックが出ているわけですから、すべての手間と時間短縮を考えると、やらない方がおかしいのです。

それなのに、それだけの手間をかけている理由は、積み込み個数を少しでも増やしたいからです。

荷主はメーカーではなく倉庫会社になりますので、倉庫会社としては、できるだけ多くの商品を保管したいと思っています。

また、運賃は一個あたりで計算されますので、運送会社としても、少しでも多く積みたいと思っています。

だから、手間をかけてびっしり積み込んでいるのです。

パレットのまま積もうとすると、パレットには規格がありますので、どうしても荷台に隙間ができてしまいます。

その隙間に箱が積めればいいのですが、それにしては小さな隙間ですので、どうしようもありません。

また、パレットの分厚さ分だけ積み込み量が減りますし、その微妙な厚さで、ギリギリもう一段積めないこともあるのです。

また、隙間ができてしまうと移動中の揺れで荷姿が崩れてしまいます・・・。

それらのことから、相当な手間をかけてバラして積み込んでいたのです。

そう考えれば仕方がないといえますが、運送会社の立場的なものも関連していたのです。

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