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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

社長と専務の息子

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軽貨物運送を開始して、軽トラを使わずに請負先の会社のトラックに乗って仕事をしていました。今日は、その会社について書いてみたいと思います。

その会社は、網戸を作っていました。網戸の材料を仕入れて、会社の工場で組み立てているということです。

割と古くからある会社でしたが、60代後半の社長が一代で築いた会社だったと思います。

その会社には女性の専務がいました。年齢からして社長の奥さんだと思ったのですが、社長の愛人だということでした。

このパターンの多くは、愛人が自分の立場を生かして、好き勝手な行動を取るようになります。その結果、会社が傾いていくのです。

しかし、この会社の専務はやり手で、会社が大きくなったのは専務の力が大きかったようです。事務所の雰囲気を見ても、専務が取り仕切っている感じでした。

ナンバー2がしっかりしていると、会社もしっかりしているということですね。

従業員40人くらいの小さな会社ですが、業績はそれなりに良かったようです。私が行った時は、新工場と旧工場がありました。そして、数年後から10年後に見た時は、工場と事務所を増築していました。

堅実な経営で、少しずつ事業を拡大しているということですね。

その社長と専務には子供がいました。子供といっても、当時で35歳くらいの立派な大人です。

その時、すでにその子供が跡継ぎになることが決まっていました。社長も専務も子供がおらず、その子しか身内がいなかったのだと思います。

見た感じからして、「社長の息子!」という雰囲気丸出しでした。(笑)

社内でも別格の扱いを受けていて、「○○さん」と名前で呼ばれていました。社長と同じ名字ですので、名前で呼ばれるのは普通かも知れません。

でも、正確には専務の息子だったと思いますので、同じように名前で呼ばれているということですね。

社内では、それらの関係に触れないようにする空気が流れていました。全員が知っているけど、口に出せないという感じですね。

別にどうでもいいことかも知れませんが、そういった複雑な事情がありましたので、私はどう呼べばいいのか迷いました。

20代前半の若造が、30代半ばのおっさんに向かって、名前で呼ぶことは失礼ですよね。そこで、それらの関係は気にせずに、名字で呼ぶことにしました。これは正解だったと思います。

その息子は、見るからにお坊ちゃんという感じでしたね。これまで多くの二代目を見てきましたが、平均的な二代目という感じです。

普通に仕事はしているものの、周りは何かと気を遣い、それが普通だと思っているという態度です。決して偉そうにしているわけではないのですが、言動の節々に「俺は次の社長なんだ!」という雰囲気があるのです。

話には聞いていたと思いますが、実際に社長の息子と接したのはこれが初めてでした。

はっきり言えば、付き合いたくない人でしたね。周りも仕事だし次期社長だから気を遣っているという感じでした。

「これでは、社長は勤まらんだろうなあ・・・」と感じていました。

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