【ブックトーク】苦手であるがゆえに、真摯に。/『聞く力』
ここ最近、雑誌は漫画も含めて購入はおろか、立ち読みすらしなくなりました。“情報資源”が多様化しているのもありますが、信頼性・速報性の点で、既存のオールドメディアの存在感が薄れているのかなとも見ています。それでもたまに、病院や銀行などの待合室でパラパラとめくる機会があるのですが、ほぼ確実に手に取るのが『週刊文春』です。
お目当ては「阿川佐和子のこの人に会いたい」という対談コラム。開始してから20年以上、そろそろ1,000回に届くのではないかとの長寿連載ですが、阿川さんの“ゲストから引き出す話の面白さ”が魅力的で、ついつい読んでしまいます。
そんな阿川さんが、インタビューについての“想い”をまとめられたのが、こちら。
『聞く力』(阿川佐和子/文春新書)
てっきり人とお話しするのが好きな方なのだろうと思っていましたが、、意外にも苦手とされているとのことで。その苦手なコトに対して、どのようにアプローチしているのかがとても身近に、そして魅力的に語られていきます。
また、“面白そうに聞く”、“知ったかぶりをしない”、“質問の柱は3本に”、“(相手の会話の)単語を切り取ったオウム返しで質問”などなど、実際に使えそうなエッセンスも多いかと。
話すにしても聞くにしても、独りよがりにならず真摯に向き合って、まずは受け入れる、、コミュニケーションの基本ですが、意外と忘れがちなコトを、思い出させてくれました。
“自ら語ることにより、自分自身の心をもう一度見直し、
何かを発見するきっかけになったとしたら、それだけで語る意味が生まれてきます。”
“丁寧に聞く”ことは、“伝わるように話す”ことにもつながるのかなと、、阿川さんご自身の失敗談や、そこからの成長などが、飾らない言葉で綴られているの読みながら、そんな風にも感じました。
ちなみにこちらの初版は2012年1月ですが、私が買ったのは2012年7月で、その時の帯には“50万部突破”とありました。で、つい先日書店で見たら“150万部突破”と、、うーん、凄いですね。
なんにせよ、“阿川さんは素敵だなぁ!”との感じにつつまれた、そんな一冊です。と思ったら最新号(2013年12月5日号)は塩野七生さんとの対談ですか、、これは買わねば!です。
【あわせて読んでみたい、かもな一冊。】
『阿川佐和子のこの人に会いたい』(阿川佐和子/文春文庫)
『日本人へ 危機からの脱出篇』(塩野七生/文春新書)
『三浦家のDNA』(三浦雄一郎・三浦敬三・三浦豪太/実業之日本社文庫)
『本を読むわたし』(華恵/ちくま文庫)
『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』(戸塚隆将/朝日新聞出版)
【補足】
なお先日、お世話になっている「東京朝活読書会(エビカツ読書会)」での【テーマ:仕事や生活に実践して活かした本】の回で紹介しました。苦手なだけに真摯に向き合っている、そんな姿勢が素敵だなぁ、、と思いつつも、独身と伺ってビックリしてたりも。。
ご興味を持たれましたら、是非こちらから覗いてみてください~