人間を成長させる制約条件

　ある方の講演を聞いて、非常に感銘を受けました。その中の一つに制約条件についての考え方がありました。制約条件とは、何か行動を起そうとする時に発生する行動を抑制する各種の条件です。こうした制約条件が多くあると、人はその目標を断念したり、当初考えていたよりも小さなものに変更するといった行動に出ます。しかし、制約条件とは一体何でしょうか？その方はこう解釈しました。

【当たり前で常識的な過去の習慣通りに活動をする上で発生する条件】

　つまり、過去に囚われず、その目標を実現するための新たな発想を生み出せば、それは制約条件ではなくなるし、自分を成長させる事ができる最高の環境となる、というのです。その人曰く、制約条件が現れると興奮するそうです。
　しかし、確かにこうした発想は理解出来ます。人は常に制約条件に囲まれて生きています。その中で自分が行動したいと考えているものについて、その殻を破る努力を起します。しかし、上手くいかない事が発生したとき、その制約条件を言い訳にして活動する事を辞めてしまいます。ところが、辞めると決意したのはあくまでも自分であり、制約条件を乗り越える努力を辞めてしまったのも自分です。本気で実行したいと考えている事であれば、どんなことをしてでも行動し続けるはずです。

　制約条件とは、いつでも辞めさせてもらえる非常に安易な下車口です。そこから下車しても、特に心に違和感は残りません。むしろ、自分は頑張ったと胸さへ張るかもしれません。しかし、それは本当はむなしい行為です。自分の人生に言い訳をして、出来ない理由を環境や他人の責任にして、自分は安全だと信じ込もうとしているだけなのです。

　制約条件の無い世界なんてありません。それはその人の夢に対する本気度を測る為に存在しているのであり、過去の習慣からの挑戦状なのです。そうした条件を超えるために、あなたはどんな行動を起すでしょうか？制約条件が思い付いたら、こう叫べますか？『来たな制約条件！俺が相手だ！！』超えられない制約条件はありません。あるのは、その条件をクリアしたくないと感じている自分だけなのです。

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